お題 カラフル
人はみんな違う【色】を持っている。
それは、目には見えないけど、普通の色と同じもの。
自分と似た色を持つ人と混ざると、綺麗な関係でいられる
自分と反対の色を持つ人が隣にいると、お互いを
目立たせられる。
じゃぁ自分と合わない色の人だったらどうだろう。
お互い混ざるとくすんで、綺麗な色にはならない。
また、何個も何個も合わせると、黒に近づいていく。
黒の中では、自分の色は目立たせられない。
だから私は、学校が嫌いだ。
ひとつのパレットに、何個も何個も【色】を詰め込まれる。
混ざって、混ざって、自分の色がなくなってく。
元から『黒』に近い人だけが残る。
そんな自分が消される場所が嫌いだ。
もし、みんなが自分の色を出せたら、
絵の具で描いたような綺麗な世界ができるのにな、って。
お題 楽園
「早く楽園に逝きたいな〜!」
これが口癖だった彼女はもういない。
彼女は望む場所に行っただけ。
別に悲しくは無いと思う。
きっと彼女もそれは同じ。
前々から望んでいた場所に行けたのだ。
嬉しくないはずがない。
彼女の両親は目を真っ赤にして涙を流していた。
クラスメイトも同様、壊れたように泣いていた。
それだけ彼女の存在は大切だったのだろう。
初めて彼女が僕に【いきたい】と言ってきたのは
1年前。
病室にいた幼なじみが言った。
昔から体が弱かったから、もっと色々なことをして
【生きている】を感じたいのだと思っていた。
でもそれは違った。
彼女はもう今世に期待をしていなかった。
なんで諦めるんだと言ってやりたかったが、
彼女だって簡単に諦めたわけじゃないだろうし
辛さは僕には分からないから、言えなかった。
逝きたい逝きたい言っていた彼女は行ってしまった
これはもう変えられない事実。
くだらない会話も、勉強を教えることも、
君の笑顔を見ることも、もうできない。
当たり前だった日常が崩れていく。
一つ一つの崩れた日常が僕に現実を見せる。
それでも僕は大丈夫。悲しくなんかない。
熱くなった目頭の招待を僕はまだ知らない。
お題 生きる意味
真っ先に浮かんだのは
ない
生きる意味なんてない。
できれば死にたいってよく思う。
その度にじゃぁなんで生きてんだよってなって
余計に嫌になる。
それでも生きてるのは、
時々あるほんの少しの希望とか、幸せとか。
もしかしたら誰か悲しむかもとか、今じゃなくて
未来は変わってるかもとか。
そういう希望に縋って今日も生きてる。
お題 善悪
善人と悪人がいると
多くの物語では善人が報われてハッピーエンドで終わる。
でもそれは物語の中のお話。
実際は善人は報われなくて、悪人だけが得をする世の中。
大人は、先生は、こういうだろう。
『いいことをすれば、いいことがかえってくるよ』
果たして、本当にそんな世界だろうか。
誰も見ていなくても、落ちているゴミを拾う。
誰も見ていなくても、人には優しくする。
誰も見ていなくても、頑張って生きていく。
きっと楽ではないと思う。
じゃぁ、悪人はどうだろうか。
誰かが見ている時だけ頑張り、裏では何をしているか分からない。
ゴミをその辺に捨ててたり、人をいじめていたり、めんどくさいことは善人に押し付けてるかもしれない。
そっちの方が楽そうではある。
でもそれが、本当にいいのだろうか。
そう考えると、よくないと言う人が多いだろう。
私が考えるに、いいことをするのは、あくまで自己満だ。
でもその自己満が自信に繋がり、もっといいことをする。
そうすると自分の視点が、いいことに向くのかなって思う。
それが『いいことがかえってくる』みたいな感じかなって
今日は流れ星が見える。
そう知った時の君の横顔は、弾けるような笑顔だった。
その日の夜は、当たり前のように近くの裏山に連れていかれた。
そこには、消して多くは無いものの数組の人たちがいた。
嬉しそうな、でも少しなにかに怯えるような。
そんな君を横目に僕は周りの人を見た。
あの家族はきっと、初めて流れ星を見に来たのだろう。
僕たちと同じくらいの年齢の女子数人組は、イケメン彼氏ができますようにとでも願ったのだろう。
1番ギャーギャー騒いでいて、正直うるさい。
あそこのカップルは、一生一緒にいられますようにって感じかな。
そんな中、君だけはまるで別世界にいるような雰囲気を出している。
流れる流れ星にはしゃぐのかと思っていたが、君は両手をきつく繋ぎ、胸の前に合わせていた。
長くてきれいな髪が風になびいている。
あぁ、そんなことしないでくれよ。
信じたくない未来が現実になりそうな気がしてしまい、
僕まで少し怖くなる。
恐怖に怯える僕は、柄にもなく君の横に行き、同じように手を合わせ願ってみる。
どうか、もう少し、もう少しだけ、
彼女の心臓が正常に動いてくれますように。