世の中は不条理すぎる。
なんて簡単に言えてしまえるほど、何かあればいいんだけど、私には生憎何も無い。
まあ、それはそうとして。おかしいじゃない?だって、辛くてどうしようもなくて死を望んでる人に、生きろ!とか言うけど、もがいて足掻い一生懸命生きてる人をバカにするじゃない。
なんでなんだろうね、不条理だよ。だから、失う人がいるんでしょ?
なにかを代償に生きるくらいなら、私はもう…
ソウ、元気か?
お前がしょぼくれてなんかダメになってるの、想像つくわ笑
だけどさ、いつまでも泣いて、閉じこもっちまったらだめだぞ?俺は、お前の命を選んだんだ、大事にしてくれよ。
お前が誰よりも優しくて、強いことは知ってんだ。だからさ、生きてな。じゃあな。
一通の手紙が届いた。しょぼくれて、涙ばかり浮かべる日々に、突然。
アイツは俺を庇った。俺の命を選んで、崖から飛び降りた。
辛くて、涙が止まらない。だけど、揺れることない心が、足を踏み出せと言う。
「ありがとう。俺は、たぶん大丈夫。もう泣かないから」
アイツの声が聞こえた気がした。
私たちはずっと友達だもんね!
そう言ったから、ずっと友達だって信じてたから。
緩やかな坂道を、彼とかわいい女の子が降りてゆく。
「私は、怖がりじゃん」
涙が零れた。
友達だって信じてたんじゃない、私は
「あんたと関係が変わるのが、怖かったんだ…」
真っ暗な道を1人で歩く少年がいた。私が手を振ると、彼は覚束無い足取りでこちらに近づいてきた。
「暗いね」
「暗いよ、だけど行かなくちゃ」
暗さで彼の顔はほとんど見えなかった。それじゃあね、と彼が背を向け、歩き出した瞬間。音もなく、彼は消えた。私は泣いた。いっぱい泣いた。
きらきらと雫がこぼれる。それが空を照らす明かりとなった。
涙は星となって、溢れた。それが、星空になった。
もう辛い、辛いから。
冷たい瞳の君は僕に背を預け、泣いていた。吐くほどの辛さと、息苦しさで押しつぶされそうな君に、僕は言葉をかけられなかった。
黙ったままの帰り道も、君は泣き腫らした顔を外に向け、僕と目すら合わせてくれなかった。
「ごめんね」
ぽつりと呟く一言を聞き逃すはずもないのに、僕は聞かないふりをした。
その夜だった。学校に忘れ物をしたことに気が付き、引き返した。そして、なんとなく屋上に足を運ぶ。扉を開けると、やたら星空が広く見えた。なにか、僕以外の影が見えた。
「え…」
彼女だった。彼女は、ロープで吊り下げられて、安らかな瞳で眠っていた。
「あぁ、よかったね。」
そう思えるほどの、美しい風景だった。