真っ暗な道を1人で歩く少年がいた。私が手を振ると、彼は覚束無い足取りでこちらに近づいてきた。「暗いね」「暗いよ、だけど行かなくちゃ」暗さで彼の顔はほとんど見えなかった。それじゃあね、と彼が背を向け、歩き出した瞬間。音もなく、彼は消えた。私は泣いた。いっぱい泣いた。きらきらと雫がこぼれる。それが空を照らす明かりとなった。涙は星となって、溢れた。それが、星空になった。
3/15/2024, 12:53:00 PM