Open App
3/20/2025, 10:01:26 AM

こちらにおいで
こちらにおいで
手招く指先が踊っている
こちらにおいで
こちらにおいで
惹かれる声が謳っている
こちらにおいで
こちらにおいで
「そこは深いよ」
こちらにおいで
「戻って来れんぞ」
こちらにおいで
「姿を見せてくれたら良いよ」
おいで
「ちゃんと名前を呼んでよ」
おいで
「だから、」
おいで
「そうじゃないといけないよ」
おいで
「分かってるでしょう?対価を出せよ」

‹どこ?›

3/18/2025, 11:54:07 AM

どれだけ言葉を重ねても
どれだけモノを重ねても
君は静かに頷いた
どれだけ時間を重ねても
どれだけ想いを重ねても
君は静かに頷いた
大切な恋人を忘れたくないと
君が静かに言ったから
大事な親友を忘れたくないと
どうしても願ってしまったから
在りし日の会話を重ね
贈り贈られた品を重ね
些細な記録も細やかに
記憶を繋いで語らった
忘れたくない人だから
失いたくない人だから
誰より愛した人だったから
面と向かって言えなかった
後悔を二人重ねていく

‹大好き›

3/18/2025, 10:12:48 AM

「わたし別に、難しい事言ってないわ」
「不可能でも非現実でも何でもない」
「理論でも実践でも出来ることよ」
「材料も時間も十二分に用意できてる」
「だから。貴方は頷くだけでいいの」
「そうしたら全部全部終わるから」
「ね、」
「赦してよ」
「貴方の為の事をさせて」
「……頷いてよ、一度でいいの」

‹叶わぬ夢›


甘い香りがした
美しい人だった
微笑み手招かれ
踏み出そうとしかけた足元が
断崖絶壁なのは知っていたし
向こう岸までの断絶が
どうしても届かない場所なのも
間違いようもなく分かってた
すぐ隣で踏み外し墜ちて逝った者も
どうにか飛ぼうと消えて逝った者も
腕引き止めようとする指の強さも
確かに知っていた分かっていた
それでも呑み込む空気の味を
目を逸らせぬ輝きを
確かに分かっていた

‹花の香りと共に›


足を止めた
先行く友が振り返った
首を振った
戻って来た友は違う道へ手を引いた
口を開いた
明るさを装い友が歌った
衝撃音
ああやはり
友が手を引いた
何処へ行こうかと手を引いた
楽しい予感もきっとあると
予知の先でも友は居た

‹心のざわめき›

3/14/2025, 11:48:44 AM

君が居ないことを知っていた
自ら隠れたことを知っていた
君が居ないことを知っていた
一人旅立ったことを知っていた
君が居ないことを知っていた
秘密を暴いたから知っていた
君が居ないことを知っていた
でもそれが
君を諦める理由にはならない

‹君を探して›

3/14/2025, 9:06:49 AM

地域で一番
国で一番
史上最高
空前絶後
世界一
銀河一
宇宙一
一番
一番綺麗だった
僕には、見えなかったけど

‹透明›

Next