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2/13/2025, 10:16:38 AM

「明日のテストを頑張ると?」
「勉強をずっと頑張ったら俺になる。
 皆を守るのに憧れて自衛隊になった」
「来週のスポーツ大会頑張ると?」
「スポーツに打ち込むなら僕になる。
 大怪我したけど監督になったよ」
「あの子に好きになってもらうよう頑張ると?」
「人を愛し続けたなら私になる。
 沢山に愛し愛されるアイドルさ」

「好きなことを頑張ると良い、
 どれもが未来を導くから」

「………」
「言わなくてよかったの、
 こんな自分になる可能性を」
「一番教えたくなかったのは『俺』だろう」
「『僕』が絶え間なく頑張れるなら大丈夫だよ」
「その為に『私』達が呼ばれたんでしょ」
「後は『誰』に辿り着けるかだけ」

‹未来の記憶›

2/12/2025, 10:01:33 AM

「ココロコロコロミコロコロ
 コロコロコロガリムコロコロ」
「どしたの早口言葉?」
「いや現状をほのぼのにしてみた」
「ソレ擬音じゃなくて殺かい」

‹ココロ›


突然の流れ星でも3回唱えられる位
常に願ってる事だから叶うのだと
一言目で舌を噛んだ君が嘯いていた。

流星はただの宇宙の塵屑で
空気に負けて昇華しただけだと
居眠りから跳ね起きた君が嘯いていた。

結局お前は信じてないの
夢物語なそんな話。
結局全部は実力だけだと
奮い立つ君の心根が
折れないようにだけ願おうか。

‹星に願って›

2/10/2025, 10:06:10 AM

いつも君の影にいた
広い広い背の後ろにいた
其処はぬるま湯みたいに優しくて
たまに振り返る君の笑顔が
殊の外嬉しそうだったのを覚えている

今は私が前に立つ
眩し過ぎた光を受け止めて
灼き貫く痛みに揺らがずに
時に走る怖気の闇に
堪えること無く叱咤を振るい

そうしてたまに振り返る
私の後ろにいる君が
幸せそうに眠る時
私は嬉しくてたまらない

君を守り愛せることが
幸福に過ぎてたまらない

‹君の背中›

2/9/2025, 9:35:58 AM

あまり遠くへ行かないで
あまり急いで行かないで
青い鳥も宝物も
結局近くにあったのだから
あまり急いで生かないで
あまり綺麗に逝かないで
その命が宝物と
旅立つ君に言えなくて
立ち止まって手を伸ばしてと
旅立つ君に言えなくて

‹遠く…›


口を噤んで手を結って
目を塞いで耳を断つ
全部焼いて捨てたから
全部沈めて消したから
首刎ねられるその瞬間
息の根絶えるその瞬間
この世の誰もが真実を
知らずに葬り去ったのだ

‹誰も知らない秘密›

2/7/2025, 9:53:54 AM

空が白み始めた。
薄闇の下で鉛筆を走らせていた目に、
その光は思ったより強く響く。
花弁の雫を落としながら空を見上げれば、
徐々に星が消えていく様がはっきりと。
誰の声もない未だ寝静まる街は、
不思議とどこか知らない街のようで。
観察日記を置いた足は、
知らず何処かへ攫われていく。

‹静かな夜明け›

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