Open App

空が白み始めた。
薄闇の下で鉛筆を走らせていた目に、
その光は思ったより強く響く。
花弁の雫を落としながら空を見上げれば、
徐々に星が消えていく様がはっきりと。
誰の声もない未だ寝静まる街は、
不思議とどこか知らない街のようで。
観察日記を置いた足は、
知らず何処かへ攫われていく。

‹静かな夜明け›

2/7/2025, 9:53:54 AM