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12/8/2024, 10:13:59 AM

花が咲いていた
日の当たらない薄暗い隅っこの事だ
光を集めたような色をして
静かに俯いていた

蕾がついていた
日の当たらない薄暗い隅っこの事だ
固く小さな萼片に守られ
凛と前を向いていた

新芽が出ていた
日の当たらない薄暗い隅っこの事だ
初々しくもぴんと張った葉が
上を目指し仰いでいた

種実が落ちていた
日の当たらない薄暗い隅っこの事だ
雨すら当たらぬ部屋の隅
それでも水を注いだのは私だった

‹部屋の片隅で›


君の涙が好きでした
君が袖を引いてくれるから
力に訴えても許されるから
君の涙が好きでした

君の怒りが好きでした
心のままの声が聞けるから
力で善を為せるから
君の怒りが好きでした

力を振るうのは嫌いでした
それでも君の憂いが晴れるなら
君の笑顔にいつか繋がるなら
そう信じて力を振るいました

笑ってるところは
さいごまで
見ることはできなかったけど

‹逆さま›

12/5/2024, 2:10:51 PM

鮮やかな光が空を彩る
大音響が空気を揺らす
ふうわり香る焼けた匂い
やわく暖かい風に
名を呼び唄う声
君の好きな素敵なもの
たくさんたくさん集めたから
だからきっともう一度
君は目を開けてくれるよね

‹眠れないほど›

12/4/2024, 11:09:49 AM

「蝶々なのか人なのかって話」
「あれでね、ちょっと思ったの」
「私とこんなに気の合う君こそが」
「私の現実で」
「今の私がただの夢だったらって」
「ね、」
「夢ってさ、びっくりしたら覚めるよね?」

‹夢と現実›

12/4/2024, 11:03:19 AM

「病は気から、言霊信仰」
「言葉と気持ちってとっても大事」
「だから、これはとっておきのおまじない」
「君に贈る重ったい呪い」
「潰れずに解かずに持っていて」
「『    』」

‹さよならは言わないで›

12/3/2024, 9:31:57 AM

昼と夜
悪と正義と白と黒
曖昧グレーを
君だけが嫌う

‹光と闇の狭間で›

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