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11/27/2024, 10:03:43 AM

僅かに怠いような
僅かに寒いような
僅かに眠いような
僅かに痛いような
僅かに淋しいような

   ような、

‹微熱›


暗闇に蹲る時はいつも
光の下へ手を引いてくれたから
光明に疲弊する時はいつも
影で休息を導いた

燦とした日差しのよく似合う子だった
静かな夜に似て落ち着くと甘え真似をして

今は似合わない素振りで似合わない場所にいるけれど
裏を安寧するあの子の代わりに
表の秩序を平定し続けるけれど

あの子と生きるこの世が少しでも平和なら
きっと何にも痛くなんてないから

‹太陽の下で›

11/25/2024, 9:17:54 AM

寒がりな友人がいた
いつも寒い寒いと言う割に
薄くて硬い生地を重ねるばかりだった

もっと暖かいの着ればと
ショーウインドウを指したが
友人は首を振った
編まれている系のがトラウマなのだと

さては手編み系プレゼントの
凄まじいブッキングでもしたかと
からかい混じりに言えば
前半だけは正解と白い溜息

自然にしかし突然冷たい指先が
久し振りに寒風に晒した首を掴んだ
「所で随分ばっさり切ったようだけど」
「何かあった、イメチェンかい?」

‹セーター›


「今更星を落とした所で
 既に立った舟の行く先は
 とっくに変わりはせんよ」
「喜べよ馬鹿共たった今
 お前等は全ての人々の勇敢を
 無意味な不帰還の旅にしたのさ」

‹落ちていく›

11/23/2024, 7:33:05 AM

別に言わなかったのは大差無いと思ってたからで
それがあろうとなかろうと何も変わらなかったからで
それは多分君と私で同じように思ってたからで
ここに仰々しい名前を付けたくなかったからで
でもしきに口出す権利が無かったってこと
もっと早くに気づいてればよかったね

‹夫婦›

11/21/2024, 11:02:44 AM

褒めて欲しいだけなのに。

‹どうすればいいの?›

11/20/2024, 10:15:07 AM

この世で一番価値のあるもの
この世で一番大切なもの
ソレが自分の命なら
大事な人の人生なら
こんな吹けば飛ぶような
酷い軽さなのはどうしてか

‹宝物›


「蝋燭って命とか寿命の代名詞な訳だけどさ、
 本当に"ソレ"吹き消して良いと思う?」

「昨日までの俺にサヨナラしなきゃ
 今日の俺には成れんだろ」

「成程ソレも一理ある」

「もういいだろ、腹減った」

「そうだね。ハッピーバースディ"俺"、良い終末を」


‹キャンドル›

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