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8/22/2024, 12:40:54 PM

好きの反対は嫌い、じゃなく無関心
嫌いの反対も好き、じゃなく無関心
でも無関心の反対は関心があるで、
其処に一つの感情も伴わない。
ズルいね、と栞を食む。
文字列を追う君は返事もしない。
何もかもオンリーワンに映る視界では
たった一つのナンバーワンになれやしない。

‹裏返し›


鳥みたいに
鈴みたいに
花みたいに
猫みたいに

なれたらきっと

君とは二度と会えないのだろうな

‹鳥のように›

8/21/2024, 9:42:40 AM

小指を絡めて約束しよう
爪を剥いで交換しよう
目合わす瞳を入れ替えて
終わりまでずっと繋いでいよう
また会いたいの
二人でいたいの
生まれ変わった先で分かるように
でもね
でもね
わがまま言うなら
もっと一緒にいたかったね

‹さよならを言う前に›

8/20/2024, 9:14:51 AM

悲しい時には雨が降って
嬉しい時には晴天で
つまらない日には吹雪いて
怒り狂えば嵐の様

そのくらいだったなら
こんなに傷付かなくて済んだかな

‹空模様›


夜の窓
止まったレンジ
磨いたシンク

写る黒髪は私ので
白い服も私のもの

後ろに揺れる金色だけが
いつまで経てども分からない

‹鏡›

8/18/2024, 1:06:49 PM

君と初めて会った日のこと
君と駄弁った帰り道のこと
君と遊んだ暑い日のこと
君と秘した寒い日のこと
君と過ごした短い日々のこと
君を
裏切り者の君を親愛したこと
オーダー通りの一部始終を
それでも君は受け入れたこと
君を
君を確かに

眇められても供える花
祈り願う花の数は

‹いつまでも捨てられないもの›


この手がこの足が
この命がこの魂が

誰かを助け何かを守り
そして平和になるのなら

そう胸を張る君のこと
一等一番の笑顔のこと
自己犠牲の英雄の盲信を

私は絶対に許さない

‹誇らしさ›


呼んでいるよと招く音
誰もいないよと呟いた
助けを求めて急かす音
誰もいないよと呟いた
藻掻き沈み恨み響く音
誰もいないよと呟いた
「一人で何をしているの?」
「何でもないよ、帰ろうか」

‹夜の海›

8/15/2024, 10:18:42 AM

長い長い下り坂
脇道も扉も無い一本道
空の背中は涼しく軽く
握ったブレーキに抵抗無く
息を吐いてペダルを踏む
良かったと微笑み道を蹴る

やっとやっとようやっと
もう誰も巻き込まない

‹自転車に乗って›

夢を重ねてファンタジー
安心安定の勧善懲悪
ドキドキハラハラ冒険譚
ほっこりノンフィクション
汗と涙のスポーツ系
キラキラドロドロ恋愛物
犠牲と正義とダークヒーロー
信じたくないホラー物
繰り返さない歴史と他者

いつ触れてどう感じて
どれが栄養で何が清涼剤で
何を学んで何処へ辿り着いて
どんな人間になるのかは

たかだか人間が狙って作れるモノでは無いはずだ

‹心の健康›

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