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7/14/2024, 2:45:35 PM

例えば、歌が上手いところ
頭が良くて
足が速くて
でも僕と友達でいてくれるところ

僕が音痴でも
テストで平均取れなくても
体育が最下位でも
笑って応援してくれるところ

僕に出来ないことが出来る
尊敬すべき自慢の友達



僕の前で泣いた
友達でいられないと泣いた

手先が器用で
面白くて
率先して優しいところが
好きだけど
尊敬しているけど

けれども辛くて隣にいられないと

‹優越感、劣等感›



やりたいことがあった
できないことがあった
挑戦したいことがあった
再戦したいことがあった
君とともに居たかった
皆とともに居たかった
後悔はあった
心残りはあった

それでも私は足を踏み出す
君の好いてくれた私のまま
皆の愛してくれた私のまま

だから
ごめんねの代わりに
さようならの代わりに
一等の笑顔で
世界に響く声で
全てに叫ぶ
さいごに叫ぶ
「これまでも、これからだって」
「私も、皆を愛しているよ!」

‹これまでずっと›

7/12/2024, 2:05:52 PM

ぽん、と通知。
『海に行かない?』
先週は山
昨年は滝
アクティブなことで、とポップアップを消す
「なぁ明日どうする」
「あっちのゲーセンに例の出たらしいぞ」
「まじかぁ」
「あ、俺もそれ行って良い?」
「めっずらし、別にいいけど」
問い掛けばかりのメッセージ欄を閉じる
誰も相手の居ないメッセージ欄を閉じる
毎夏のこととはいえ
何処の何に気に入られたんだか

‹1件のLINE›

7/10/2024, 10:42:09 AM

目を開けたら

知らない天井だったとか
身体が小さくなっていたとか
未来の滅んだ世界だったとか
動物になっていたとか
空中浮遊真っ逆様だったとか

そんな朝を夢想する
そんな明日を懸想する

誰も呪いたくなかったから

‹目が覚めると›

7/9/2024, 1:15:57 PM

私にとっての当然が
他人にとって地域差の光景であるかもしれないように

誰かにとっての普通が
他人にとって世代間のズレであるかもしれないように

お前の賢しらに語る常識とやらは
どの範囲で『常』に『識』られていることなのか
お前が嘲り嗤う非常識とやらは
ただお前だけが『常』に『非ズ』な立場でないか
考えてから言え
定めてから口に出せ

それすら出来ないなら
その口二度と開くな痴れ者が

‹私の当たり前›

7/9/2024, 7:44:09 AM

「100万ドルの夜景って言葉あるけどさ、
 あれって『そのくらい美しい』じゃなくて
 『その時間にそれだけ働いて稼いでる人達が
 灯している照明だ』って解釈があるんだって」
「一周回って切ねえ話だな。
 ……じゃあ、あの明るさは何の稼ぎも
 出してないからって0円の夜景になんの」
「……いや、あれは美しいの方の100万ドルの
 解釈にしとこう」
「命の儚さ美しさって?」
「そうそれ」

‹街の灯り›


曇天の下では緑もどこか元気がなく、
色鮮やかな笹飾りを手慰みに量産するばかり。
「今頃雲の向こうでいちゃついてんだろ」
「まあいんじゃね。逢瀬なんて見られたくも
 見たくも無かろ」
「それはそう」
午前の一雨でぐしゃぐしゃに流れた短冊の文字
わずかに残った線をなぞって、瞬く。
「……なに」
「いや、お前これさ」
耳元に囁いた『願い事』に、あんまりに勢いよく
もんどり打ったものだから。
思わず噎せる程に笑いながら手を差し出した。
「星経由じゃなくて直で言えよ、こういうのは」

‹七夕›

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