5/8/2024, 12:46:48 PM
「来年、卒業式が終わったらさ。旅行にいこうよ」
「海とか良くない?青春っぽくてさ」
「お城好きだもんね、それも見に行こう」
「散々写真とってさ、皆に自慢してさ」
「ちょっとくらい大人ぶったってばれやしないし」
「それで、沢山遊んで、沢山笑った後にさ、」
「渡したいものがあるんだよ」
「ずっとの約束をしたいんだよ」
「………返事してよ、お願いだから」
<一年後>
5/7/2024, 12:17:47 PM
恋ってどんなものかしら
甘くて酸っぱくてほろ苦い?
恋っていつ出逢えるかしら
子供の頃に青年期に?
恋って
恋って何なのかしら
知らないまま分からないまま
何回この日を迎えれば?
いつになったら終わるのかしら?
<初恋の日>
5/7/2024, 10:50:05 AM
馬鹿馬鹿しい、と白い煙
薄ら霞みと硝子の向こう
何処か剣呑な黒い瞳
良いじゃない、と白い唇
曇り重なる透明樹脂
僅か和ませた緩い笑み
永遠を誓った金の色
幸福を希った対の証
明日終わってしまうなら、
もう二人で居れぬのなら、
共に終わってしまえばと
共に来世を願えばと
<明日世界が終わるなら>
5/5/2024, 4:37:09 PM
桜の花びら
夜空の火花
暖色の落葉
染めゆく雪
君はいつも隣に居た
いつも居てくれた、から
君の居なかった日々も
とうに思い出せなくなったというのに
墜ち逝く桃花
俯く向日葵
見返られぬ木犀
頸落つ椿花
どうしてこの足は立ち上がれぬ
どうしてこの目は未来を見れぬ
どうして、君は
<君と出逢って>
5/5/2024, 9:18:09 AM
おいてかないでと声がする
一緒にいてよと声がする
僕はそれに答えられない
僕はそれに応えない
一人にしないでと声がする
何処にいるのと声がする
僕は口を開けない
僕は声を出さない
置いてきた友の誰とも
一緒に居た友の誰とも
それは誰とも違う声
先行した友の誰とも
見失った友の誰とも
それは誰かも分からぬ声
気付かれては生きられない
ナニモノカの声がする
<耳を澄ますと>