異雪

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11/13/2024, 9:06:09 PM

・また会いましょう

カメラロールを見直すとまだ貴方がそばに居たあの日々が綺麗に残ったままでいる。
もう新しい写真が増えることは無いけれど、それでも貴方はまだここに居てくれる。
私が消さない限り写真の貴方はずっと私に微笑んでくれる。
いつか本当にお別れしなきゃいけないけれど、今はまだ私の傍にいてくれるあの人をこの中では大事にさせていてほしい。

11/11/2024, 9:10:18 PM

・飛べない翼

君の背中には目を奪われるほどの立派な羽が大きく広がっていた。
あの大きさなら、きっと1人で何処へでも行けてしまうんだろう。
なのに何でこんな所にずっと佇んでいるのか。
君にはもっと相応しい場所があるのに。
そんな僕の内に湧き出た疑問を知ってか知らずか、彼女はただ何も言わずに静かに微笑むだけだった。

11/10/2024, 5:21:04 AM

・脳裏

いま起きていることじゃない。
いま目の前にいる訳じゃない。
いま言われたことじゃない。
それなのに今現在もその場で起きているような気がして身動きが取れない。
もう終わった事なのに、自分の中では今もずっと続いて終わりそうにない。
なんで何一つ忘れられないんだ。
誰か頭を殴って欲しい。誰か脳みそを溶かして欲しい。
もう全部忘れたいんだ。

11/3/2024, 12:10:27 PM

・鏡の中の自分

見つめないと会えない"私"。
目を逸らしたら会えない"私"。
視界に入らない限り会えない"私"。
もし私が見てないうちに私以外の姿になってたらどうしよう。
それとも、もともと私以外の姿で、私が見た時だけ"私"になってくれるのかしら。
だとしたらこの鏡は相当"私"の事が好きなのね。
もちろん私も、私が大好きよ。

10/31/2024, 9:11:34 PM

・理想郷

例えば、君と並んで歩くこと。
綺麗な声で名前を呼ばれること。
その可愛らしい手を握って見つめ合うこと。
皆からしたらこれらは子供じみたささやかな願いに聞こえるかもしれない。
でも俺にとってこの願いが何よりも叶えたい大事な夢なんだ。
たとえ一生叶わなかったとしても、こんな願いを持つことが許されなかったとしても、叶ってほしいと祈ることはどうか許してほしい。

ああ、でも。

もしこんな幼稚な願いが君にバレて、いつものように笑われてしまったら、それはそれで心が満たされてしまうんだろうなぁ。

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