10/17/2024, 3:08:00 AM
・やわらかな光
オレンジ色の光に照らされた水槽と、その中で静かに佇む1匹の亀。
今日も人工の太陽を拝んで1日を過ごす君が愛らしくて仕方ない。
今度の休日は一緒に日向ぼっこしたいね、と自宅に届いた電気代の支払い用紙を見ながら心の中で思うのだった。
10/15/2024, 9:04:54 PM
・鋭い眼差し
私だけしか見えない貴方が大好き。
他の人は知らないその表情が大好き。
可愛くて、愛おしくて、ちょっとだけ怖いその目が大好き。
出来れば一生見ていたいけれど、そんなことを望んだら貴方を困らせちゃうから。
だからこの感情は死ぬまで黙っておくね。
今日も小さな願望を隠して貴方に眼鏡を渡す朝。
10/14/2024, 9:10:06 PM
・高く高く
塔のように積み重なった思い出が、小さな私を見下ろしている。
両手で抱えきれなくなったアレを私はどうすべきなのか、今の私には皆目見当もつかなかった。
せめて私もアレと同じくらい大きかったら崩すことも抱えることも出来ただろうに。
塔のように積み重なった、酷く歪で大きな思い出は、何一つ成長出来ずただ途方に暮れている私を冷ややかに見下ろしていた。
10/12/2024, 2:39:23 PM
・放課後
部活動なんて嫌い。
君と一緒に帰れないから。
待つのは嫌い。
一人でいると嫌なことが頭から離れないから。
先生が嫌い。
早く帰れと急かしてくるから。
友達もちょっと嫌い。
楽しそうなお誘いで誘惑してくるから。
あの子は大嫌い。
マネージャーとして彼の傍にいるから。
でもこんなワガママな私が1番嫌い。
10/12/2024, 8:14:35 AM
・カーテン
君が嫌がるもの、君を苦しめるもの、君が見たくないもの、君にとって不都合なものは僕が全部遮ってあげる。
だから君は僕だけを見ていてほしい。
薄暗い部屋、希望も絶望もない場所で2人きりで過ごしていよう。
そうしたら君も僕も幸せなはず。
そうだろう?