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2/22/2024, 10:36:54 PM

『太陽のような』

オレンジ色は、お日様色だと思っている。
そのオレンジ色を綺麗に思えない時がある。

いつもというわけではなくて、
綺麗に思える時はお洒落な色だと思うのに、である。

ちなみに太陽を美しくないと思った日はない。

カラーセラピーを勉強した知り合いは、「オレンジ色は癒やしの色だから。好きな人は、飲みたいぐらい好きだけど、嫌いな人は見たくないほど嫌いらしいよ」という。

なるほど。
その理論でいけば、私は癒やされたくないということになる。

太陽のような暖かい癒やしを求めていないと?

いやいや、欲しいよ。
意地っ張りの捻くれ者だから、分かりにくいだけで。

2/21/2024, 12:14:53 PM

『0からの』

誕生ってすごい。

昨日存在しなかった君が
今日は存在する。

0から君の人生が始まり、
0から母親としての私の人生も始まり、
0から関係性を築いていく。

生まれる前は、愛情いっぱいの、ゆったりした幸せな子育てを想像するのだけど、

実際は想定外がいっぱいで、
全く思い通りには進まない。

いやはや、子育てがこんなに大変なものだとは思わなかった。

成人するまで育ててくれた両親の苦労も、
子供を持って初めて理解した部分がたくさんある。

本当に大変だったけど、
君が生まれてきてくれて
心から良かったと思っている。

それまで、私は愛情をどこか信用していなかった。

だから、全身全霊で私を求めてくる君という存在は理解不能だった。

しかし、初めは負担に感じた君が、
だんだんなくてはならない存在に変わっていった。

この愛おしい存在を、
近い将来、幸せに送り出す。

心の準備は必須だね。

そして、0からまた始まる。

2/20/2024, 1:22:29 PM

『同情』

同情とは違うかもしれないが、私は人の感情の影響を受けやすい方だと思う。

怒る人、悲しむ人、困っている人を見かけると、自分の無力さを叱責されているように感じて辛くなってしまう。

もちろん、それは私が勝手に感じただけで、その人たちに私を害する意図がないことは分かっている。

それでも反応してしまうのだから、たちが悪い。


小学2、3年頃の夏休みに、近くの公民館でアニメ映画の鑑賞会をするというので、弟と泊まりに来ていた従姉妹たちと出掛けた事があった。

窓という窓を暗幕で覆った薄暗い会場は、興奮した子供たちで一杯で、騒々しいお喋りが飛び交い、息苦しいほど蒸し暑かった。

それでもお祭りの喧騒のようでもあり、それまで映画館に行ったことのない私は、楽しく思っていた。

やがて映画が始まり、ますます期待は高まった。
しかし私は、これが何の映画かを知らずに見に来ていた。

ストーリーが進むに連れ、だんだん不安になり、それは間もなく後悔に変わった。

爆弾が投下されるシーンに差し掛かると、私はすぐに顔を伏せて耳を塞いだ。

しかし、映画の大音量の前では何の意味もなかった。

「なんでーーーーだろうね」という近くの男子の言葉が生々しく耳にこびりつく。

聞きたくなかった。

もちろん、その男子に私を害する意図がないことは分かっているが、どうしようもなく体が反応してしまう。

私は吐き気を覚え、内心半狂乱になりながらも必死に耐えた。

映画が終わって会場を出る時、他の子たちは何事もなかったかのように、いつも通り帰って行った。笑顔の子もいた。

私は普通を装っていたが、誤魔化せてはいなかったと思う。

電気がついた会場は、壁一面に写真が展示されていた。

私は何も見ないように視線を足元に固定して、脇目も振らず会場の外へ出た。

気分は最悪だった。

みんなが普通に耐えられるものを、私は耐えられないのか。

途中で見るのを止めたものの、音声から想像して恐ろしいイメージが完成していた。

それからは、映画のイメージに重なって毎晩自分が死んでいくシーンを追体験した。

恐ろしくて眠れないのに、眠れなければそのシーンから逃れる事ができない。
そんな地獄が大人になるまで続いた。

それは、翳りの一つとなった。 

人前での明るい性格と一人の時の暗い性格。
これらは、春の暖気と寒気のように簡単に混ざり合わず、そのギャップに一人疲弊した。

大人になり、死に対する考え方が変わると、だいぶマシになった。

自分と他人の線引ができるようになると、さらに楽になった。

大切な人が困った時、自分も同じ精神状態に陥ってしまっては、手を差し伸べることなどできない。

せめて大切な人を守れるくらいには、強くなりたいと思っている。

2/19/2024, 11:54:29 AM

『枯葉』

季節は「雨水」の頃となり、風光はますます春めいて、命は活動を開始する。

その中にあって、朽ち果てるのを待つ
立ち枯れた秋草の叢生。

その姿に自分を重ねる。

飛花落葉。

しかしながら春の雨は温かく。
芽吹いた命の糧となるのも悪くない。

人生が完成していく楽しみ。
それもまた一興かな。

2/18/2024, 11:40:09 AM

『今日にさよなら』

今日にさよならして、どこに行くというの?
過去に行くところなんてない。
明日を通過して行きたい未来もない。

一日一日今日を積み上げて、やっと築き上げた優しい関係だもの。
手放しはしない。

人がどう思おうと、私の人生において今より穏やかな時代はない。

「今日にさよなら」したら、「明日の今日にこんにちは」をする。

刻々と変化する今を心に刻み、喜びも悲しみも強欲に味わい尽くすのだから。

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