風土

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9/14/2025, 3:43:49 PM

君と見上げる月は、どんなに綺麗だろうか。

揺れる船の上、真っ暗な中に月明かりで照らされた海
2人きりの甲板、そこに流れる星空や穏やかな時間。

海の音、風の心地良さ、隣に居る君の息遣いの1つ、
きっとどこを切りとっても眩しい、真っ暗なのにね。

目を瞑っても、息を吸ってもずっと胸が苦しいまま、
ふと、君をすこし見上げてほっとする。

そんな時間、2人きりの静かな時間。
そっと流し目で見る君の横顔に、目を奪れる事だろう

そのままずっと見つめていたいと、
愚直で、安直で、でも素直な気持ちを抱えながら、
自分らしくない、乙女じゃないんだぞと呆れる。

それでも少し、少しだけ目を細めて身をよじる、
この気持ちが、幸せが、君にバレてしまえばいい。

そうしたら、このまま何も言わずに済む、
このまま君と、退屈で幸せなこの時間を過ごしたい。

何か一言でも話せば、世界が崩れてしまいそうで、
もどかしくて、そんな曖昧な風に揺られている。

目を伏せて海を見つめる。
いつもと違いドクドクと高鳴る鼓動を感じる、顔に当たる風を冷たく感じる、気持ちいい。

頬杖を付く、なんでもないように自然に、自然に…目線を落として、袖に口元を埋めて。

聞こえないように、ボソッと小さく呟く。
『……月が、綺麗ですね』

9/4/2025, 2:24:54 PM

言い出せなかった「ぜんぶ」

苦しいよ?
そりゃ苦しいさ。

でも苦しいからなんだって言うんだろう、
何が変わるんだろうか。

苦しいって言いたいよ、
でも目の前の人に「苦しいの?」って聞かれると、
ダメなんだ、どうしても『大丈夫!』
…って笑いかけたくなるの。

なんでだろ!

気づいて欲しいのに、気づいて欲しくなくて、
いざとなると怖気付いて、怖くなる。

へんなの〜って他人事のように、
心の中で呟いて思うこと。

…あぁ、誤魔化したい。

全く!体調悪いのにな!不思議だよ、…あはは。

8/26/2025, 1:47:32 PM

素足のままで、砂浜を走る。

あついのでまともに砂に足をつけない、
しかし、そんなことより海だ!

私は海が好きだった。

なんでかは正直分からない、でも。
何かいつも、真新しいワクワクをくれるから。
なんとなく、海が好きだ。

やっと波打ち際、色が変わった砂に足を置く。
波が動くのが不思議でじっと観察してしまう、
なんでこんな動くんだろ!

そうしているうちに、大きめの波がやってきた。
足の間を流れる波、思ったより勢いがあって怖い、
しかしそんなスリルにもワクワクが勝つ。

直ぐに波が引いていく、逆再生みたいで面白い。
でもちょっと足がくすぐったい!

ウキウキした気持ちのまま、後ろを振り返って。
はしゃいで置いてきてしまった両親を発見する。

「早く来ればいいのに!」


8/18/2025, 6:32:11 PM

足音がする。

誰のだろうと耳を澄ます。
人の話し声、他にも歩く人のざわめきやあくびの音。

それ以外でも、毛色の違う無機質な音。
ぴ!ガタン…!あ、分かりやすい。

目を向けなくても直ぐに自販機の音と分かる。

しかしどうして沢山人がいる中で、
誰のかも分からない足音が耳に残っているのだろうか

私にもよく分からない、がとても気になる…
まぁ、私の中ではよくある事だけれど。

気が散った矢先、多分飽きたので。
いつもと同じく目線を上げ、電線にさえぎられた青空を観察する。

今日は普通にいい天気だ、いい青色!

感動してそのまま眺めていると、空が狭まり周りが暗くなる。電車と屋根の隙間が少し眩しい。
あれ?早かったな…、と少しハッとする。

電車の内側の窓、上がってきた階段を見つめながら。

…結局誰の足音だったんだろ?
あ、もしかしたら同じ電車かな…!

思わず辺りを見渡してしまうが無駄に決まっている。
気づいて即座にやめると少し恥ずかしくなった。

でもきっと、誰が足音を鳴らしたかじゃなくて。
騒がしい中で、誰かも知らない一人の人間の足音、
それを耳に残して、何かを感じ気に停めた。
この余白の方が、多分もっと知るべきことだ。

あー!人の感性って面白いなぁ〜!!
と素早く切り替えた私は、ワクワクしながら。

景色が流れていくドアの隅に身を寄せるのだった。

8/7/2025, 2:32:01 PM

私の心の羅針盤は、いつも物語の中に居た。

ゲームに漫画、アニメやドラマ、映画にも。
絶えずあるのは、別世界に生きる人間。

しかし、物語はあくまでフィクションである
という人がいるのも否めない、確かにそれは事実だ
極端に言って仕舞えば、物語は人が作った嘘話。

でも、考えてみて欲しい、
人間界に嘘じゃ無いものなんてあるのだろうか?
”あぁ、多分無いな。” というのが私の感想だ。

お金も地位も言葉も仕事も、全部人が作り出し、
勝手に信じてるだけの嘘なのだ。

つまり何が言いたいかと言うと…
脱線しすぎて正直私にもよくわからない笑

だけど、言いたいことがあるとすれば、
物語は嘘なんかじゃない。

私が確かに信じれば、それは真実になり得る。

時に感動させられて、たまに絶望させられて、
救われて、慰められて、愛したくもなる。

自分の命を使ってそれでも何かを教えてくれる、
物語の中に生きる人間の生き様は、いつでも輝かしい
まるで指針のように人間の可能性を見てせてくれる。

物語ってものはいつでも私の羅針盤であり、
肩を組めるような相棒なのだ。

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