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8/19/2025, 2:58:43 PM

なぜ泣くの?と聞かれたから:



曖昧に笑む。機微に敏いとは言い難いあなたが気付くはずもないと分かっていても、それ以外の手立てを私は持たないから。

あなたの目にはどう映っているのだろう。あなたの見る世界と丸ごと同じものが見られたら、そう思うこともなかったかもしれない。

それでも、どうやったって私たちは別の生き物だから、それは叶わない。どれだけ歩み寄ったって、まったく同じにはなりようがない。

「さあ、どうしてでしょうね」

互いに違っているのは悪じゃない。どんな答えを導き出しても、きっと間違いではない。ただ、それを受け入れられるかそうでないか、それだけなのだから。

「私にも、分からないわ」

曖昧な微笑みも、とめどなく溢れる涙も、あなたの考えも、その言葉の意味も、全部。

ねえ、あなたは何を思い描いた?

8/15/2025, 10:22:49 AM

!マークじゃ足りない感情:



自由に生きていたい。自由ってどんなかって?それこそ自由さ。

ある者は日がな一日することも特になく空を眺めて時間の流れを感じたいと言うし、ある者は一日じゅう勤勉に詰め込まれた仕事を順序よくこなしたいと言う。時間ごとに区切って仕事と遊びを両方楽しみたいという者もいるね。

要は、望んだ通りに生きていたいだけなんだ。望まないことは何一つ入ってこない人生を送りたい。でも「そんなうまい話があるものか」って思うだろ?誰しも大きな願いを描いたあとにそこへ着地したがるんだよ。叶わなかったとき心が壊れてしまわないよう、先に線を引く。それが今の人生の形を呼び込んでいるんだけどね。

願うだけならタダなのにわざわざ望んでないものが入ったビジョンを自ら描いてしまうから、望むものを詰め込むための隙間が残っていないんだよ。どんなに言ったって気付いちゃくれないんだ。

まっすぐに、淀みなく願っていいんだ。叶わなかったらなんて思わなくていい。すべて手に入ると思って生きてくれよ。望むまま生きる他人を恨みながら生きるより、自分もそうしていいんだって早く気付いて。

君の人生が幸せでないなんて耐えられたものじゃない!

8/9/2025, 1:51:07 AM

夢じゃない:



自分を世界に二つとない宝物として扱ってくれる。

手放したら二度と戻らない風船のように大切に抱えてくれる。

日常に溶けて消えそうなささやかな出来事を覚えていてくれる。

話すことを全て大切に汲み取って、同じ気持ちを分かち合ってくれる。

ほんの少しの違いに気付いて言葉にしてくれる。

いつでも大きな愛でもって包み込んでくれる。

そんなあなたが今日も生きている。

7/20/2025, 4:35:49 PM

今を生きる:



我ながらどうしようもない人生を送っていると常々思う。

過去の傷が癒えないのだと目に映る全てから逃げ隠れ、一歩踏み出した先の陽の下で焼かれるのが苦しいのだと閉めきった部屋で蹲る。

言い訳だと言ってしまえばそれまでだ。しかしそればかりでは傷も心根も腐ってしまうのも否めない。

要は、脳が融ける前に首を括るか人の形をした容れ物になるかなのだ。

自分でいたければ生活がままならない。生活を思うと我が身がままならない。どこで間違えてここまで不出来に仕上がったのだか。

さても日は昇り月は沈み誰かが定義した毎日が過ぎていく。お手本に倣えなかったものから弾かれる。弾かれた先はゴミ箱でも何でもなくて、自分の棺を探すばかり。

ただ息をしていたいだけだというのに、なんだって息苦しいものだよなあ。

7/6/2025, 11:47:47 AM

空恋:



新しく始まったドラマのタイトルはどこか既視感があって、学生のころ親が毎週欠かさず観ていた恋愛ドラマを思い出した。

とはいえこの現代で既視感がないものを生み出すことのほうがよっぽど難しいのは身に染みた事実だ。今この瞬間を生きている自分の人生でさえも、人類の歴史の中では何番目かのよく似た物語かもしれないのだから。

そこまで考えて、さすがにそれは病的な思考だろうかと手を止めた。少し疲れてきているかもしれないな、今日はここまでにしよう。

書きかけのデータが保存されたのを注意深く確認して席を立つ。久々に広くなった視界に飛び込んできた窓の外は気後れしそうなほどの快晴で、眩しさもあいまって無意識に目が細くなってしまう。

空調管理が行き届いているにも関わらずじわりとにじむ夏の温度を感じていたところで「からん」と氷の音がした。そういえば麦茶を出していたんだったか。すっかり汗をかいたグラスはまだ冷たいが、わずかに透明な上澄みが見える。

「……夏だなあ」

飲み干したグラスから滴る水の冷たさと少し遠くに感じる夏空の青を眺める気持ちは、手の届かない存在に恋をするそれとよく似ているような、そんな気がした。

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