決まった事がいくつかあって、
いつか別れる事、いつか終わる事、
永遠なんて無い事 、それをいつか知る事。
それなら全部無駄だって、
やけっぱちで放り出すけど、
勿体無くって拾い集めるんだ。
いつか描いた理想とは、
いつも何かズレてるが。
いつか見てた未来とは、
いつも何かが違うけど。
決まっている結果に向かって、
歩いていく美学とは?
有り触れている未来に向かって、
戦っている現実は?
未来は、未来は、未来は、未来は。
決まった別れがあるならば、
間を繕って布にしよう。
決まった終わりがあるならば、
紡いだ布を旗にしよう。
永遠なんて無いから。
墓標に旗を立て意味にしよう。
生きたことと、出会ったことと、
死んだことと、生まれたことに、
全てに理由が、あったかの様に、
結果はすべて、決まっていても、
それを成したことに意味がある様に。
#もしも未来が見れるなら
朝焼けを愛してた。
青に塗りつぶされる空の色が好きだ、
夜が塗り潰されるその瞬間が。
夕焼けを愛してた。
紅く塗り潰される空の色が好きだ、
世界が終わるみたいな瞬間が。
春を愛してた。
桜の花が綺麗で、散り行く花が河に流れるのが好きだ。
夏を愛してた。
暑苦しい中で、貴女と風鈴の音を聞くのが好きだった。
秋を愛してた。
落ちた落葉を、蹴散らして歩く貴女の足音が好きだ。
冬を愛してた。
振り積もる雪の中で、先を行く足跡を見るのが好きだった。
きっと貴方を愛してた。世界よりも。
#誰よりも、ずっと
日が沈みゆく、
お前も消えるのか。
私を置いていくのか。
射す日は遠く、
燃えつきた夜を残し。
私も消してくれないか。
いつか私も消えるなら、
今日を残る理由は何だ。
問いは遠く燃える空に、
答えもないままに消え。
せめてお前と消えたかったのに。
#沈む夕日
「ねぇ、今日世界が終わるとしてさ」
帰り道、川沿いの土手を私の横で歩きながら彼女は喋る。
夕間暮れの空は燃えつきる前の炭の種火の様に紅くて。
だから彼女はそんな事を言ったのか。
道の石を蹴飛ばして、彼女は言葉を続ける。
「もしも、あの日が沈んで、その時に世界が終わるとしたら」
日は既に地平に足を付けていて、1時間もしない内に沈むだろう。
彼女は私の顔を覗き込むように右下から見上げる。
「そうだったら何をしようか?」
紅く染められた彼女の顔は無邪気な猫の様に、
酷く幼く見えた。
「私はね」
啄むように小さな口が開く、高い声が細く骨に響く。
「きっとここを歩いてる」
小さな手が冷えた手を掴む。
暖かな、小さい手。
「貴女も歩いてくれる?」
くるりとした蛇紋石の様な目が、私を捕える。
幼さの残る顔が若干の不安と期待の入り交じった表情を浮かべる。
私は彼女の手を握り返す、
暖かな、小さな手、私の為の手。
「それが貴女の願いなら、私もそうだよ」
目を細めて、小さく笑う。
この身に意味があるなら、全ては貴女の為の物だ。
彼女は大きな目を輝かせて、咲き誇るように笑った。
手を握りながら強く振って歩く。
燃えるような茜空が遠くで暗く沈む。
世界が終わるみたいに。
#君の目を見つめると
祈りが遠ざかって、感傷になっても
愛してもいいんだよ、そうやって笑った。
愛情が怖くても、逃げたりはしないで、
救いなんてきっと、どこにでもあるから。
星を眺めて、いつか冷たくなったら。
星を眺めて、許されなくて良いから。
星を眺めて、愛されなくて良いから。
星を眺めて、暖かさを思い出して。
空想を重ねて、気狂いになっても、
逃げてもいいんだよ、そうやって笑った。
許されなくても、さよならはしないで、
救いなんてきっと、どこにでもあるから。
星を眺めて、間違えたままで良いから。
星を眺めて、空を見失っても。
星を眺めて、なくした物を数えて。
星を眺めて、どうか思い出して。
#星空の下で