入木

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5/7/2026, 4:34:59 PM

なあ、俺はもう老いさらばえた。
もう疲れ果てたんだ。
青い空でさえ、
もはや眩しくて見てはいれないのだ。

枯れていく紫陽花の木を見ろよ。
地に這って、高く空へは行けなかったんだ。
目指さなかったのか、
そういう生まれだったのか。
俺もそういう物だったんだ。

いつかの夢をみるよ。
花緑青の季節に。
俺も花を咲かせたんだ、
そんな事もあった。
昔の話だがね。

薄い雨が包む、薄明るい昼に、
赤い傘を差した、長い髪の女が通りがかってね。
花を見て笑ったよ、紫色の花だったんだ。

柔らかな笑みでね、小さく微笑んだんだ。
光の加減でか、髪が青墨のようになって、
月明かりの凪いだ海みたいな色でね。
それはそれは綺麗でね。

それを今も思い出す。

#初恋の日

5/6/2026, 2:39:25 PM

明日、世界が終わるなら、
積んでいた本を幾つか崩そう。

明日、世界が終わるなら、
近所の猫の頬を撫ででやろう。

明日、世界が終わるなら、
久しぶりにパスタでも作ろう。

明日、世界が終わるなら、
地平に沈む日をただ眺めよう。

お前がそこにあってくれるなら、
終わりなんて何時でも良いこと。

さよならなんて言うなよ。
世界の終わりじゃあるまいし。

#明日世界が終わるなら⋯⋯

5/2/2026, 4:16:49 PM

抜け出した後の寂しさを、
ずっと抱えて来たんだね。
逃げ出した夜の虚しさが、
泥濘の中で藻掻いていて。

眠れない夜の水底にて、
誰かをずっと待ってた。

一人ぼっちに慣れても、
痛かった事はそのまま。

痛みはいつか慣れても、
傷はきっと付いている。

哀れみがそっと、抱き寄せても、
それを踏み躙る、僕がいるんだ。
温もりがそっと、寄り添っても、
肌が拒絶してる、君がいるんだ。

優しさだけで、きっと
愛されるなら、きっと
許されるなら、きっと
救われるなら、きっと

こんな風にはならなかったよ。

#優しさだけで、きっと

5/1/2026, 3:06:13 PM

空の青さも知らず、
草の緑も知らず、
檸檬の黄も知らず、
陽の茜も知らず、

己の目には灰色に見える。

瞳の色も知らぬ、
肌の温もりも、
人の名も知らぬ、
その言葉の意味も、

己の身には余りすぎる。

空の青さも、草木の匂いも、
檸檬の味も、陽の暖かさも、

その瞳の、その人の、
その肌の、その意味を、
意図を。

いっそ灰色であれば良かった。

#カラフル

4/19/2026, 4:36:43 PM

決まった事がいくつかあって、
いつか別れる事、いつか終わる事、
永遠なんて無い事 、それをいつか知る事。

それなら全部無駄だって、
やけっぱちで放り出すけど、
勿体無くって拾い集めるんだ。

いつか描いた理想とは、
いつも何かズレてるが。
いつか見てた未来とは、
いつも何かが違うけど。

決まっている結果に向かって、
歩いていく美学とは?
有り触れている未来に向かって、
戦っている現実は?

未来は、未来は、未来は、未来は。

決まった別れがあるならば、
間を繕って布にしよう。
決まった終わりがあるならば、
紡いだ布を旗にしよう。
永遠なんて無いから。
墓標に旗を立て意味にしよう。

生きたことと、出会ったことと、
死んだことと、生まれたことに、
全てに理由が、あったかの様に、
結果はすべて、決まっていても、

それを成したことに意味がある様に。

#もしも未来が見れるなら

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