明鏡止水の一日一題

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4/4/2024, 1:10:20 PM

「あ、ねぇねぇ。彼女さんが呼んでたよ」

「ありがと」

クラスメイトが廊下の方を見て俺に言う。

「どうしたの。俺のクラス来るの珍しいじゃん」

「うん。ちょっと、相談したいことがあって、ね……」

彼女が人目を気にするように周囲を見回したため、俺は彼女の手を取る。

「場所、移動しようか。三限目は二人でサボろう」

空き教室に移動すると、彼女は不安そうに口を開いた。

「あのさ、別れよう?」

頭の中が真っ白になった。

「なんで? 俺、なんかした?」

「……」

黙る彼女の表情を見て、俺は察した。

「また誰かになにか言われたの」

彼女はあからさまに動揺を見せる。

「いい。俺は何も気にしてない。お前だから好きなんだ。だから、お前はそれでいい。いつものお前でいてくれるだけで、俺は幸せだ」

【それでいい】

4/4/2024, 1:02:36 AM

「もう別れよう」

急に彼氏から言われた言葉。

「え、やだ。なんで?」

彼は悲しそうに微笑む。

「……分かった。でも、最後に1つだけ。1つだけ、私のお願い聞いてくれる?」


これで、あなたを留められる。


【1つだけ】

4/2/2024, 3:08:23 PM



3年前、彼氏からもらった、チャチな可愛らしい指輪がお気に入りだった。

ある日、それを失くしてしまったことを彼氏に報告すると、「また、新しいのを買ってあげるよ」と言われた。

分かってない。
私がほしい指輪は、あの指輪だけなのに。

彼氏に言うと、素直に謝って、探すのを手伝ってくれた。

結局、先日彼氏の家に寄ったときに失くしてしまったらしく、彼の部屋に落ちていた。

私に返す時、微笑んで左手の薬指につけてくれた。

「こんなものでも、君の“大切なもの”にしてくれてありがとう。こんなのでごめんね」

私の大切なものは、さらに特別なものへとなった。


“大切”は金としての価値のみではない。
“大切なもの”とは、美しく特別な思い出だ。




ピー、と響く電子音。
ものすごい喪失感に襲われる。

「ねぇ、目覚ましてよ。……ねぇ、ねぇ!!」

言い合いばっかりだったけど、本当は大好きだった私の兄さん。


それは、失ってから気付くもの。


【大切なもの】

4/1/2024, 11:00:22 AM

「ずっと前から好きでした」

「……え、あー」

「……な〜んて、冗談だよ。今日はエイプリルフールだからね」


素直な想いをよくも悪くも濁せる日


【エイプリルフール】