私には貴方の隣に並んで立つ資格がない。
でも、
貴方と同じステージに立てるように頑張るから
そこで待ってて。
「待ってて」
ずっと昔から貴方が大好き。
太陽みたいな笑顔も部活中の真剣な顔も
全部が大好き。
大好き、だった。
あの子と手を繋いで、頬を赤らめて話す貴方を見て
怖くなった。その顔を、私の隣でしてほしかった。
私は昔から行動が遅かった。
そんな私を鈍感だと言って笑う貴方を見て満足していた。
今回もまた遅かった。
辛くて痛くて。そして、それでも好き。
後悔で溢れた想いは涙となり、雨に変わる。
きっと貴方は愛するあの子と同じ傘に入りながらこう言うでしょ?
『鬱陶しい雨』
「溢れる気持ち」
1000年先も。なんて存在しない。
だって死ぬのだから。せいぜい100年だ。
でももし、転生というものがあれば
1000年先は存在するかもしれない。
もう一度、1000年後に生まれれば。
もう一度、貴方に出会えたら。
1000年先、地球は今とまったく違うものになっているだろう。
それでも、この思いが続くのなら
1000年先も貴方を愛します
「1000年先も」
今日、私は死んだ。病死だ。
発見した時にはもう手遅れだった。
病院生活は意外と楽しかった。
違う病室の子と沢山のことを話した。
でもやっぱり、もう少しだけ
貴方と一緒にいたかった。貴方と生きていたかった。
彼の幸せを願いたいのに、私を忘れてほしくない。
彼の幸せが私であって欲しいと思ってしまう。
ある春の日。
静まり返った病院の一室でピーと音が響いた。
机の上には
彼に宛てた手紙と勿忘草。
「勿忘草」
小さい頃、公園でよく遊んでいたブランコ。
怖いもの知らずの子供の時は思い切り漕いで、高くなった頃に飛び降りたりしていた。
あの頃の無邪気な笑顔は何処へ置いてきてしまったのだろう。
ふと、懐かしくなり帰りに公園のブランコに寄ってみる。
ブランコの楽しさを思い出すことは出来ず、
代わりに目の前で遊び回る子供を微笑ましく思った。