ふうせん

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今日、私は死んだ。病死だ。
発見した時にはもう手遅れだった。

病院生活は意外と楽しかった。
違う病室の子と沢山のことを話した。

でもやっぱり、もう少しだけ
貴方と一緒にいたかった。貴方と生きていたかった。

彼の幸せを願いたいのに、私を忘れてほしくない。
彼の幸せが私であって欲しいと思ってしまう。

ある春の日。
静まり返った病院の一室でピーと音が響いた。

机の上には
彼に宛てた手紙と勿忘草。



「勿忘草」

2/2/2024, 4:08:40 PM