水無月はじめ

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3/23/2026, 11:01:52 AM

『特別な存在』

ベッコウ色のトランクに
大事な物を詰め込んだ

貰った絵手紙
アメジストの欠片
色鉛筆と落書帳

さぁ行こう

絵手紙に描かれた場所へ
麦わら帽子も持っていこう
光を返すアメジストを
色鉛筆で自由に描こう

ここにはきっと僕しか来ない

描かれた場所は
君と見つけた秘密基地

僕はここで夕日の沈むまで
独りで只管描き続ける

誰も来ないのは分かってる

気づくともう日が暮れて
蒸し暑い空気の中
蛍が涼しげに飛び交っていた

3/22/2026, 11:23:34 AM

『バカみたい』

努力をした者が
報われるのではない
ただ報われた者は
須く努力している

中学の教師の言葉だったか
やけにはっきり覚えている

僕の努力は足りないのかと
やや自棄になりながらも
心のどこかに引っかかっていた

その言葉を
鬱陶しく思いながら
昨日までは生きてきた

今日、心が泣いた
もう言葉を忘れたい

もうレールは歩かない
心の教師の前にはもう立たない

僕は一人で生きていく

3/21/2026, 10:17:40 AM

『二人ぼっち』

陽が傾く

二つの足音
二つの影法師
モノクロに映る傘が二つ

二人無言で歩き出す

話をしたいと思う僕
イヤホンをつけてる君

なんとなく一緒にいるけれど
君は何を考えている?
時たま目が合うけれど
君は僕に微笑むだけ

その微笑みはただ優しく
観葉植物のように清涼で

まぁいいか
明日晴れたなら
傘の幅分の距離が近づくさ

3/20/2026, 10:43:48 AM

『夢が醒める前に』

気づくと霧の中にいた
さっきまで
うるさいほどの色の中にいたのに

今はどこも見渡せず
自分の掌だけが
嫌にはっきり見えている

光は無い
影も無い
自分というものも揺らいでいく

頭がぼぅっとしていった
転ばまいと足を踏み鳴らす

どこかで懐かしい声がした
突如色が咲いていく

意識も段々はっきりしてきた
どうも現実に戻らねばならないらしい

また逢いに行くから
その時は霧を晴らせて
顔をしっかり見せてくれ

3/19/2026, 10:15:30 AM

『胸が高鳴る』

夏の夜の蒸し暑さと
涼やかに
しかし逞しく咲く千輪菊の

相反するような風物詩が
見事な調和をみせている

喧騒も今は
ただ心地よい旋律で
街の全てが浮かれている

来年はもう少し
花火の種類を覚えて来よう

きっとそのほうが
鮮やかな思い出になるだろう

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