水無月はじめ

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『特別な存在』

ベッコウ色のトランクに
大事な物を詰め込んだ

貰った絵手紙
アメジストの欠片
色鉛筆と落書帳

さぁ行こう

絵手紙に描かれた場所へ
麦わら帽子も持っていこう
光を返すアメジストを
色鉛筆で自由に描こう

ここにはきっと僕しか来ない

描かれた場所は
君と見つけた秘密基地

僕はここで夕日の沈むまで
独りで只管描き続ける

誰も来ないのは分かってる

気づくともう日が暮れて
蒸し暑い空気の中
蛍が涼しげに飛び交っていた

3/23/2026, 11:01:52 AM