※風が運ぶもの
窓の外を見やると、景色は黄ばんでいた。
私の目が悪いのでは無い。
黄砂と花粉のコラボ結果である。
長年、我が国では黄砂に悩まされてきた。
そして緑化計画及び建築土木の為、大量に植林した。
見事育った木々達は、緑化と建築土木を成した。
だが最終目標のひとつである、
防風林ならぬ防黄砂林の役目は果たせていない。
むしろ強風によって花粉をばら撒くようになった。
事態が悪化した結果、政府は空気清浄機助成を開始。
風の強い冬から夏の始まりまで、外出自粛命令。
風水というように、風が運命を運ぶのであれば……
黄砂と花粉にまみれた今、運命は国を潰すのだろう。
※question
誰も知らない真実は全てquestion
教えてください
人間という思考するバカ
というか生命が誕生しちゃった意味を
恐らくそれをquestionにすること自体が無意味だろう
※約束
若い頃、大きな戦争に兵士として駆り出され、
何とか戦勝国の一員となった。
だからとて、被害が無かったわけではない。
敵国兵士の悲惨な断末魔が頭に響く。
家族を奪われた母国民の泣き声が木霊する。
いや、私の場合、「お父さんとお母さんを返せ!」という
戦災孤児の声が1番苦しかった。
すまない。戦争をしたがる国を、民間人は止められなかったのだ。
貴族筋の我が家ですら、出来なかったのだ。
罪滅ぼしにもならないだろうが、約束しよう。
私の代をもってして、我が一族を取り潰すことを。
その財産全てを戦災孤児の為に残すことを。
懺悔と許しを乞う手紙に封蝋をし、金庫へ隠す。
少々家族への不満を漏らしてしまったが、これでよい。
あとは、手紙が無事に役目を果たすだけだ。
※過去作品 連動作
「隠された手紙」 「手紙の行方」 「誰かしら?」
※ひらり
ポルノグラフティのアゲハ蝶。避けて通れないね。
丁度、その世代なので一瞬で染まってしまったよ。
カラオケ代が高くてねー
大好きだったけど1時間1000円ワンオーダー制で
田舎だったから余計? バイト時給より高くてさ
行きたくても行けなかったんだよ
そのお店も程なくして撤退しちゃったしね
地元にカラオケあるのは、未だに羨ましいよ
ちなみにカラオケ喫茶に突撃してみたこともあるけど
機種が古くて歌える曲が無かったんだ
カラオケ専門店、サイコー!
※誰かしら?
ああ、忌々しい。
裁判官が読み上げる手紙の内容に、一族全員がそういう顔をしていた。
「金庫の中に隠された、法的に認められた遺言書」
それを弁護士に渡したという家政婦は、誰かが処分したらしい。
ならばついでに弁護士も手紙も処分しておけ。
そう思わずにはいられない。
あの遺言書は一族への相続を禁止した内容だったから。
死んだ父が一族の為に金を残すように見えたのか?
そんな甘ったれな馬鹿は誰だ?