11/4/2024, 8:20:16 AM
一瞬、目が合った気がした。
鏡に映る自分を見ているのだから当たり前だと言われそうだけど、そうじゃない、そうだけどそうじゃないのだ。
私は突然、得体の知れない恐怖に襲われる。
これは…誰なのだろう…
鏡に映る姿は確かに私だ。だけど違う。
上手く言えないが何かが違うのだ。
違和感の正体が掴めず、食い入るように見つめていると、鏡の中の私が私を指さしながら笑った。
「今度は私がそっちに行くから」
『鏡の中の自分』
10/27/2024, 4:43:03 AM
「いってらっしゃい」「いってきます」
「ただいま」「おかえり」
何気ない日常の中に隠された
愛言葉の意味に気付くと
優しい気持ちになれるんだ
『愛言葉』
12/10/2023, 1:31:59 AM
今でも思い出すんだ。
いつも、味方でいてくれた君のことを。
弱虫だった、僕の手を引いてくれたことを。
ねえ、またあの時みたいに僕の手を繋いで「心配するな」って笑ってよ。「馬鹿野郎」って叱ってよ。
君が居ないと、僕はどちらに進めばいいかさえ、分からないんだ。
『手を繋いで』
12/8/2023, 9:59:15 AM
「部屋の片隅って、溜まりやすいんですよね。
え?何の話をしているのか、ですか。
……さあ、一体何の話なのでしょうね」
そう言って綺麗な顔をした男は、妖しく微笑んだ。
『部屋の片隅で』