NoName

Open App
6/30/2025, 11:50:02 AM

カーテン

テストを返され家に帰って見せる。そしていつも発される言葉。「もっととれると思ってた。私を失望させないで。」89点でこう言われるのは俺的にも苦しかった。頑張って頑張っていい点数をとろうとしてもそれをあの人たちが褒めてくれることは無い。勉強部屋にふと風が吹いた。この家のようなピリピリとした雰囲気とは違い柔らかく優しい風だった。それと同時にカーテンがゆれた。外には満月が輝いていた。俺は思った。月は圧倒的な存在感がある。でもここで縮こまってる俺はなんなんだろうって。俺はベランダの塀に手をかけた。この世界に別れを告げて。

6/29/2025, 11:02:06 AM

青く深く

今日は海に来ている。あの人たちの近くにいると俺が腐ってしまいそうだ。海に入っていく。夏でも海は冷たかった。あの人たちの俺への態度のように冷えきっていた。青く深い海に沈んでいく中俺は思った。誰か一人でも俺の心の支えになってくれる人がいたらもう少し楽に生きられたのかな?そう考えるたびに心が寂しくなってくる。俺は今日青く澄んでいる海の奥深くへと沈んでいく。この世界に別れを告げて。

6/26/2025, 11:32:59 AM

最後の声

あの人が俺にかけてくれた最後の声ってなんだっけ?そう思うほど俺はあの人と言葉を交わしていない。不思議と寂しいとか喋りたいとかは思わなかった。ただ俺は生まれるところを間違えたと思っただけだった。あぁ思い出した。あの人が最後俺にかけた声は
「お前なんきゃ産まなきゃ良かった。」

6/25/2025, 11:11:25 AM

小さな愛

苦しかった。寂しかった。毎日かけられるプレッシャーに嫌気がさしていた。家に帰るのが怖くなっていつの間にか学校にいる時間が多くなった。あの人たちと顔を合わせなければ少しは楽になると思った
ある日あの人が倒れたと連絡があった。俺は思い足取りで病院へ向かった。あの人は言った。「お前のせいだ。お前が家の手伝いをしないから疲労で倒れたんだ。」そう言われたとき俺は自分を責めた。俺のせいなんだ。そう思った。それからあの人たちに心を支配される日々が続いた。でも、昔からの友人が言った。「それ本当のお前なの」そう言われた時この人はしっかり見てくれてるんだなって小さな愛を感じた。そうか俺はこれが欲しかったんだ。この小さな、ささやかな愛が欲しかっただけなのだと気づいた日だった。

6/24/2025, 8:46:16 AM

子供の頃の夢

子供の頃の夢なんて俺にはなかった。家に帰ると毎日「勉強。1位取らなきゃ意味が無い。母さんを失望させないで」そう言われ続けてきた。いつの間にか俺は首を縦にしかふらない人形と化していた。正しくは自我を失っていたのだろう。苦しかった。生きるのが辛くなっていた。子供の頃の夢はなかった。でも、大人になった今はある。俺のような精神的な苦痛に苦しんでいるそんな子供たちを救いたい。それが今の夢だ。

Next