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カーテン

テストを返され家に帰って見せる。そしていつも発される言葉。「もっととれると思ってた。私を失望させないで。」89点でこう言われるのは俺的にも苦しかった。頑張って頑張っていい点数をとろうとしてもそれをあの人たちが褒めてくれることは無い。勉強部屋にふと風が吹いた。この家のようなピリピリとした雰囲気とは違い柔らかく優しい風だった。それと同時にカーテンがゆれた。外には満月が輝いていた。俺は思った。月は圧倒的な存在感がある。でもここで縮こまってる俺はなんなんだろうって。俺はベランダの塀に手をかけた。この世界に別れを告げて。

6/30/2025, 11:50:02 AM