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4/4/2024, 11:25:09 AM

まだ無償で愛されたこともないのに
近い未来、この髪が白く染め変わって行く頃、
私は何を思うだろう
代償なき慈愛を手に入れられなくなったことを知って、
私は誰を思うだろう

4/3/2024, 11:44:58 PM

人種が異なるだけで、見目異なるだけで人間扱いされないとは、まるでお伽の国のようだ、まるで人魚にでもなったようだ。 映画の中、素材として、人間に狩られていた妖精だとかを思い出す。まるでこの世がファンタジーだ。生臭い醜態というリアルを持った。まるで物語だ。

4/3/2024, 1:27:17 AM

微睡みながら聞いた幻聴は、陽気なワルツだったんだな
春風とドアの軋む音が、それを連れ去っていくから嫌だったんだな
雑踏やクラクションで旋律すらも追えなかったが、やけに煙管の煙が明瞭だったんだな
目を瞑っていても眩しくて、とても眠っていられなかったんだな
堪忍して目を開けたのか
それとも不意に引き戻されたのか
そこは変哲も何もない自室だったんだな
ただ春の陽だけが、さらさらと差していたんだな

4/1/2024, 10:19:05 AM

人間たる情緒たる大切たる何か。を欠落させてゆく人間たりたいおまえ。(どこまでも拾って追いかけるよ。って喉を震わして伝えてあげられなくてごめん。おまえにどうしても捩じ込みたい言葉ほど、どんどん臭くなっていってごめん。)

*

案の定電車は発っていた。プラトニックじゃ救われないようだと、改めて肩を叩かれた。質量を増した憂いは肩に掛かっていたか、胸に罹っていたか。それでもいいと思ったのは、これ以上この目には何も映せないことを知っていたからだった。構内、酸っぽい匂いを嗅いだ。別れの時間だった。おまえの甘い。残り香を忘れぬうちに飛び込みたいのを堪えていた。お前がいなくなってしまって、嘘みたいに感情まで消え失せるのが死ぬよりも怖い。己の残り香はコリアンダーだった。はっきりとはわからないが、確かタバコとシナモンなんかも調香されていたはずだった。解像度は持ち得る限りの最高だったのに。聞いてくれ。失いたくないくせに、恥ずかしながら、おまえの香りは輪郭すらも掴めなかったよ。

*

何処にもいかないって、わたしに言ったな。
おまえの吐く煙が、魂のようで見ていられなかった。毎日三箱ぶん、自殺をしているようだった。

おまえは先にいなくなる。そう確信している。

*

―――ああ、そうだよ。おまえ。わたし。懸命だ。示し合わせたみたいに、からっぽだ。
幸せって言ったっきり、死んでしまえたら何れほどにか。

4/1/2024, 2:59:52 AM

お前が死んだ妄想をして、ひとり六畳間で哭いたんだ
抱きつく相手も見当つかぬまま

あゝ、朝になれ朝になれ

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