微睡みながら聞いた幻聴は、陽気なワルツだったんだな春風とドアの軋む音が、それを連れ去っていくから嫌だったんだな雑踏やクラクションで旋律すらも追えなかったが、やけに煙管の煙が明瞭だったんだな目を瞑っていても眩しくて、とても眠っていられなかったんだな堪忍して目を開けたのかそれとも不意に引き戻されたのかそこは変哲も何もない自室だったんだなただ春の陽だけが、さらさらと差していたんだな
4/3/2024, 1:27:17 AM