9/30/2022, 7:26:59 AM
犬の名付け親になんてならなきゃよかった
あまりにインスタントな別れ際に、
思い浮かんだのはそれだけだった
9/25/2022, 10:48:38 PM
コンタクトが揺蕩う洗浄液の匂いと、
毎朝見つめる、鏡の中の片割れの顔立ち。
嗚呼、これが他人ならよかったのに。
自分を形容する姿かたちも定まらぬまま、
今日も遅めの平日が動き出す。
9/25/2022, 2:02:59 AM
つづきのわからない子守唄を
延々と繰り返している
海の骸に溺れるように
木漏れ日の殻に縋るように
降り零れるまま、あの頃を享受している
9/24/2022, 12:44:46 AM
(雨が窓を叩く音が、なんともヒトの飯事のようで)
いじらしさの中に見つけたおざなりな模倣は
意図せず疎外感を得るのにひと役買った
明日は人になれるだろうか
陽の色灯るデスクライトに、睡魔をあやす深夜2時
9/22/2022, 5:40:08 PM
宵に昼寝から起きたとき
家には誰もいやしなかった
虚空に伸ばした手にかかる
影だけ私をみつめていたのだ
「――私、生きているのかしら
いいえいいえ、生きてはいるの
生きてはいるからこそきっと、
愁いに抱かれただけなのでしょう…」
乾きを覚えて引き攣る唇(くち)を
数十年後の骸が舐めた
いま影をたたえる肉々にすら
証明のしようもないくせに