9/22/2022, 5:09:05 AM
わびしいをふかす秋風くぐり
この身は知らぬ、恋とやらの思案に暮れた
堪えて嗄れゆく憧れなのに、
湛えて散りゆく諦めなのに、
彩度の落ちた街の行方に
あなたがいればなるほど確かに
幸せだろうと思ってみたのだ、
――この身は確かに思ってみたのだ
<秋恋>
9/20/2022, 10:07:26 AM
濕った空気と静かな温度
普段は見えない顔がほろりと
絡まる髪を結い上げて
もういいから逃げ出しにいこう
なにを思えど訊かぬといいよ、
なにも識らずに死ぬるがいいよ
垢の張り付く手を引き寄せて
優しくない市街地を踏む
あしたいっしょにいれるといいね、
あたしといっしょにいれるといいね
絡まる髪を結い上げた
もういいから逃げ出しにゆくのだ
濕った空気と静かな温度
普段は見せない顔がほろりと、
9/20/2022, 8:34:46 AM
倦怠を孕んだ夜風が沈む、
この街もぬるい終わりへの秒針なのだ
9/18/2022, 10:15:19 AM
誇る輪郭をあなたに覚えた
問わねば在らぬ人間なのに
ゆかりもない地の夜景に吐息をするよう、
日々帰る頽廃しきった6畳間に睡るよう
地に伏し融けていく有り様を
比喩のように反芻している
たしかに母親だっていたのだ
たしかに抱き上げられもしたのだ
(―――頭痛が知らせる生ならば…、)
憐憫よ
どうかモラトリアムエイプにさらなる猶予を!
9/17/2022, 10:36:45 AM
僕に形が亡くなれば
あの夜の談は嘘になろう
此れをかたちに残すなら
それは廉価に成り下がろう
執念さえも脱いだなら
可惜夜なんて退屈だろう
腹も減ってはいない故
此処で待つしか無いのだろう
あぁあ、非道なノスタルヂアめ
あんまり過去を吸い込んで
いずれ消え逝く咄をしよう
いずれ消え逝く咄をしよう
焦がれているのさ 暴れているのさ
息絶えても尚謳っているのさ