整脈と不整脈と

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1/20/2026, 10:39:08 AM

静かな海の底。

音が丸くなって、言葉もくぐもっててさ。
ここなら声は届かない。
上はうるさいの。
あれしろ、これしろって
波みたいにぶつかってくる。
ここなら我慢しなくていい。

ここでは比べられない。
遅くても、下手でも、誰にも見えない。
光は遠いけど、ないわけじゃない。
ゆらゆらして、ちゃんと届いてる。
浮かび上がるのは、
もう少しあとでいい。

海の底で、わたしは軽い。
何もしてなくて、それでも沈んでる。
このままでもいっか、ずーっと。
そう思えるくらいには、静か。
たすけて、って言わなくていい。

海の底はつめたいけど、
少なくともやさしいふりは
しなくていい。

1/19/2026, 10:55:04 AM

思考が静脈のように
増えていく。
名前を呼べば輪郭が壊れそうで、
私は沈黙だけを重ねる。
距離は優秀な檻。
近づかないことで感情はまだ形を保てる。

君に会いたくて、
想像が現実を侵食する。
声の温度
視線の重さ
存在しない記憶が、
私の中で事実として保存されていく。

どうして
会えない時間ほど鮮明になるの。
思慕は柔らかい毒、即効性はない。
ただゆっくり思考を君色に染める。
君は触れていない、それなのに
私はすでに変質している。

君に会いたくて
一歩、踏み出さない。
この渇きが失われる方が怖いから。
会わないまま、
私の中に居続ける方が安全だから。

ずっと会えるから。

1/18/2026, 2:46:12 PM

この日記はかぎ付き。

べつに
大したことは書いてない。
楽しかったこととか、
むかついたこととか、
どうでもいいこと。

だから
開けなくていいの。
なのに
みんな中を見たがる。
勝手にページをめくって、
勝手に笑って、
勝手に決めつける。

だから
かぎをかけた。

守るためじゃない。
これ以上、
傷ついてないふりをしないため。

1/17/2026, 3:21:26 PM

剥き出しの枝が
空に細い傷を描く。
季節は説明もなく
私を透過させる。

木枯らしは奪わない。
ただ残す、
冷たさと静かな確認だけを。
まるで心まで軽くなるように。
重ねてきた思考が一枚ずつ削がれて、
核心だけが露出するように。

触れれば痛む。
でも嘘じゃない。
音のない圧力が胸腔を撫でる。
生きている証が、
寒さという形で伝わってくる。

だから立ち尽くす。
逃げていく温もりを探さない。
この冷えが、
私を最も正確に保っているから。
他人と同じだと実感するから。

1/15/2026, 11:09:16 AM

この世界は、大きな箱

中に入ると「だいじょうぶ」って
パパは言うの。

でも
ふたは外から閉まってる。

のぞき穴は小さくて
見えるのは、ほかの人の背中だけ。

出たいって言うと
わがままって言われる。

だから
静かに座る。

この世界は、やさしいふりをした箱

中にいる間は
笑ってなきゃいけない。

そうするとね
みんなやさしいんだ。

でもね

もし
この箱がほんとうに
やさしいなら、

どうして
出たがるわたしをそんなに叩くの?

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