Open App
2/18/2024, 11:52:01 AM

      『今日にさよなら』


    「いらない。全部いらない。」
    
  がしゃがしゃと棚の中の物を捨てていく。
    
    『そんなに捨ててどうするの?』

      心の中の私が囁く。

  「いらないの。全部。あの人との物は。」

   『ふうん。そっか。そんなことより、
    外を見てみなよ。綺麗だよ。』

     気がつけば夜が明けていた。
   空が白み始め、また新しい陽が昇る。

      今日にさよなら。

      明日にこんにちは。

  


  『明日って、「明るい日」って書くよね。』 

2/17/2024, 10:12:28 AM

       『お気に入り』


  お気に入りの青色のワンピースに灰色の靴。
 いつもよりちょっぴりおめかしをして
       友達の家へ行く。

      
       今日は特別な日。

    「「ハッピーバースデー!」」

        私の誕生日。

2/15/2024, 10:17:21 AM

『10年後の私から届いた手紙』


私へ

いきなり手紙なんて送ってごめんね。私は10年後のあなたです。信じられないかもだけど、信じて。
        
未来は楽しいよ〜
私はね、あなたの10年先で素敵な旦那さんを見つけて、可愛い子どももできて。毎日が幸せです。
         
だからね、生きて。命を絶とうだなんて思わないで。今はまだ、辛いことばっかりかもだけど。
苦しいのも、辛いのも、ぜーんぶ乗り越えて、未来で私は生きてます。

みーんな、未来で待ってる。
生きてね。


私より

2/14/2024, 12:09:59 PM

       『バレンタイン』


     だれかがだれかの幸せや
       笑顔を願って
     プレゼントを選ぶ日。

    だれかの微笑む顔を見たくて
    一生懸命台所で奮闘する日。


   1年の内で普段より、素敵な日。

2/13/2024, 10:02:58 PM

『待ってて』


バレンタイン。それは、私たち学生のイベント。
校内もいつもより浮足立っている。 

目を光らせる先生、誰に渡す?と話す女子たち。
毎年恒例の風景であった。

私はというと想いを寄せる男子に「待ってて」なんて言ったのに、行けない。

扉を開ければすぐそこなのに。
開けれない。行けないよ。

扉一枚隔てた先から、チョコを渡す声と、嬉しそうに返事をする彼の声が聞こえるから。




何年もあたためた心と、彼のためと作ったチョコレートは、鈍い音を立てて割れた。

Next