人間未満

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6/2/2025, 12:01:10 PM

ある大雨の日のことだった
その日は前日の晩から
バケツをひっくり返す様な
記録的な大雨が降った

そのくせに 
大雨警報は出ず
その少女は意味のない
傘を持って道を進む

周りには少女の他に
誰もいない

それは当然のことであった
少女は知らないが
少女が向かう学校は
休校になっていたのだ

それを知らない少女は
一人寂しそうに
歩いている

その僅か数分後
パチャパチャと雨を弾く音がして
少女が姉と慕う
少女より二つ年上の女性が来た

今日は学校休みだから帰ろう
そう言って
少女の手を握った

少女のその顔は
傘で隠れていた

雨は次第に激しくなり
二人は走って帰路に着いた




5/31/2025, 12:21:29 PM

悲しい事を
悲しいと共感したかった

それでも
そこには明確な

勝ちと負けがあった

だから
迂闊には触れられなかった

自分は
勝負から逃げたから

自分は
非難する事も嘆く事も
してはいけないんだ

だって
それはどうにもならないから

勝ち負けなんて
どうでもいいって思うんだ

やっぱり

5/30/2025, 10:22:18 AM

カット!

シーンの終わりを告げる声
この物語はここで終わりだ

お疲れ様〜

労いの言葉が飛び交う現場は
暖かい雰囲気に満ちている

私達の物語は続く
続くのだ

あの物語は
一応、ハッピーエンドだった

これからはどうだろう

わからない

5/28/2025, 10:47:55 AM

さらさら

どこかへとおちていくのは
きっと
すり抜けた何か

掴むことは難しくて
降ってくるのは稀である

それでも
追いかけたいなんて

望んでたいなんて

そんなつもり
更々ない

5/28/2025, 7:18:12 AM

これで最後

何度そう思ったとしても
それは嘘だと信じてほしい

だって
まだあの頃の記憶が

強く鮮明に
感じられるから

いかに痛みを伴う記憶でも
忘れてはいけないのは

お互い様だ

だからって
一緒に苦しんでほしい訳じゃない

分かってほしい

絶対に終わりはあるって

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