ある大雨の日のことだった
その日は前日の晩から
バケツをひっくり返す様な
記録的な大雨が降った
そのくせに
大雨警報は出ず
その少女は意味のない
傘を持って道を進む
周りには少女の他に
誰もいない
それは当然のことであった
少女は知らないが
少女が向かう学校は
休校になっていたのだ
それを知らない少女は
一人寂しそうに
歩いている
その僅か数分後
パチャパチャと雨を弾く音がして
少女が姉と慕う
少女より二つ年上の女性が来た
今日は学校休みだから帰ろう
そう言って
少女の手を握った
少女のその顔は
傘で隠れていた
雨は次第に激しくなり
二人は走って帰路に着いた
6/2/2025, 12:01:10 PM