暇人 

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11/6/2024, 10:35:14 AM

しとしと

ついさっきから降り始めた雨
秋雨前線の影響だとかなんとか
ニュースキャスターが言っていたなぁ



傘をさして、
いつもの通りを歩く

雨が降ると、
同じ景色なのに
違うように感じる

声は無く
雨の音だけが聞こえる



目当ての店に入れば
しっとりとしたジャズが聞こえた

…喫茶店に入るのは
決まって雨の降った日だ

雨とコーヒーとジャズ

と、ふと聞こえた声

懐かしい思い出を
見つけた気がした

喫茶店で友達と話す
少女とも女性とも言い難い子

昔の私の様な子

彼女の様子は
昔の私と違って
満ち足りている様で…



雨だけが、柔らかく
私を許してくれる

帰りに傘はさせなそうだ

…雨に打たれて帰りたい







11/5/2024, 10:36:09 AM

無性に苦しかった

何で私が
何で私が

ずっーと
思ってきた

あなたも、あなたも
私を救おうとする言葉で

いつも私を傷つけた

あなたも、あなたも
私を誘う言葉で

いつも私の世界を地獄にした

うるさい

そんな言葉を言えたら良かった

良かったなぁ…

受け入れられない事も
きっと、今なら…

大丈夫

心の中でつぶやく

笑って言える

「おめでとう」

笑えてる

苦しくない

花嫁から受け取ったブーケだけが
私をこの地獄に引き留める

一筋の光のような物

「おめでとう」

花嫁が言ってくれる

「ありがとう」

笑って返す

大丈夫

大丈夫

光はまだ此処にある










11/4/2024, 11:08:51 AM

哀愁を誘う

『誘う』
ってなんだろう

いざなう
さそう

さそうには、
いっしょに行くようにすすめる
そそのかす
うながす

という意味があるっぽい

で、『哀愁』は

寂しくもの悲しい気持ち

………

何故わざわざ調べたか

いや、いつも調べているけど!

哀愁漂う姿とか言われたって
イメージが湧かない

分からない

ぱっと思いついたのは

肉じゃがの匂いだったから

お腹すいちゃって…



11/4/2024, 8:22:12 AM

鏡の中の自分

鏡…
私はアリスになったのだろうか

鏡の国に入り込んだ 
憐れなアリス

トランプ兵も
女王も

みんな可笑しい

なんて…
おかしいのは元々だ

………


路地裏の鏡を
ぼんやり見ていた

うるさい

消えて

…消えちゃダメ

鏡映しのように
私は反対の世界に取り残された

目を覚ますと
アリスになって

いつか…
『あっち』の世界に帰れる

そんなんだったら
幸せだなぁ

笑っているのは
私にそっくりな女

私とは違う
明るいステージの上
楽しそうに歌っている

私は…
真っ暗な路地裏
おまじないの為に口ずさむ

大丈夫

目を閉じれば…



ワーと大きな歓声
たくさんのファンと
活動仲間

過保護な家族
あと、暖かい居場所

「歌って!」
渡されたマイク

みんなが私を待っている
望んでいる
そして、支えてくれる

そうだ



「「支えてくれたみんなに!ありがとう!」」



      ほら 繋がった






11/2/2024, 11:04:36 AM

私と君のおまじない

いつからこんな風になったのか
覚えてはいないけど

私は夜に生きられないし
君は朝に生きられない

おかしくなって
苦しくなったのも
其処からだ

私が目を覚ますと
君は眠たそうで

多分、
十分もしない内に
眠りにつくような感じで

いつもの事だから
私は、笑って
「おやすみ」
って言う

おはよう、は
言えなかった

何故だか
朝に生きられない君を
貶してしまうようで

いつもの事だから
君も笑って
「おやすみ」
って言う

…のかと思った

君は
しっかりと閉められた
カーテンを開けて
「朝日を見よう」
と言った

でも
君は…

いや…
君も同じ景色を見たいんだね

私は無言で
君とベランダに出て、
朝日を見た

風が吹いた
秋風は、冬の冷たさを連れてくる
星は少しずつ消えた
夜にさよならだ

朝日が出て、
君に話しかけようとした

「綺麗だね」って

言えたら良かった 君が



眠りにつく前に


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