私と君のおまじない
いつからこんな風になったのか
覚えてはいないけど
私は夜に生きられないし
君は朝に生きられない
おかしくなって
苦しくなったのも
其処からだ
私が目を覚ますと
君は眠たそうで
多分、
十分もしない内に
眠りにつくような感じで
いつもの事だから
私は、笑って
「おやすみ」
って言う
おはよう、は
言えなかった
何故だか
朝に生きられない君を
貶してしまうようで
いつもの事だから
君も笑って
「おやすみ」
って言う
…のかと思った
君は
しっかりと閉められた
カーテンを開けて
「朝日を見よう」
と言った
でも
君は…
いや…
君も同じ景色を見たいんだね
私は無言で
君とベランダに出て、
朝日を見た
風が吹いた
秋風は、冬の冷たさを連れてくる
星は少しずつ消えた
夜にさよならだ
朝日が出て、
君に話しかけようとした
「綺麗だね」って
言えたら良かった 君が
眠りにつく前に
11/2/2024, 11:04:36 AM