永遠という言葉には
いつまでも続くことという
意味があるらしい
私は
これからの人生で
永遠に続いて欲しい瞬間なんて
有る筈がないと思ってしまう
だからといって
今も無いけど…
手に持ったランタンと
LINEの通知音と
星の明かりが
感傷的(センチメンタル)の
恐ろしさについて
うるさく語る
十一月になっても
私は変わらない
十二月になっても
変わらないと思う
来年には…
何か転機があるだろうか?
期待したところで
私はもう既に
負のループに入っているのかもしれない
永遠の?
それは分からないな…
分かったら
人生、苦しいだろう?
期待は、永遠を支えるスパイスだ
追記
永遠とは
存在していい物なのか
この問いに対する回答を
私はまだ
持っていない
しかし私は、
存在して欲しいと思うと同時に
存在してはならないと思う
期待を無くした者に
与えられた永遠は
まさしく地獄だから
願いの果てにある物もまた、
等しく地獄だろう
一秒という永遠を知る者に
永遠を感じたい時間があるのか、と
いささか疑問だ
思い返して見れば、
なんだか
とても分かりやすかったと
思う
だから、きっと、
気づいていないふりを
してただけ、なんだろう
焦がれていた…と思う
恋という感情が、心を灼くのなら
この感情は、全てを灼くものだ
私には
到底、扱えないもので
要するに、
有り得ないことだ
当たり前の青春
当たり前の人生
それを
理想郷にしてしまった時点で
私は既に
諦めている
だからこそ
其処に
地獄を見る
続かない夢を見て
終わりを見る
漫画やアニメなどの
最終回を予想するものを見ると、
みんなが、
終わりを求めているように
思ってしまう
本当は
そんなじゃないのに
でもね
終わりを見ると
安心するの…
だって、
もう続かないんだもの
理想郷に、
怯えなくていいんだもの
………
ただの独り言だよ…
もし
終わりがあるなら
少しでも
理想郷に触れてみたい
いろんな人の理想郷を見て
私のは
少し寂しいなって思った
果てしないものよりも
今あるものを
少しでも良くしたくて
空回りしてる気はある
でも
憧れの人になるとか
理想の人生とか
世界平和とか
望んだところで
私の望む幸せは
今ある事の前進だから
それか
ある筈のない者の錬成?
まぁ
考えたところで
老人になって死ぬのがオチかも
おやすみなさい
明日に奇跡がありますように
懐かしいこと…
唐突だねぇ
いや…別に無い訳じゃないよ
知ってるでしょ?
たくさんあったじゃん
でも、
全部が夢物語な気がして…
全部、現実だって?
そうだけど…
相変わらずの現実主義だよね
私、悲しくなっちゃう…
シクシクゥ
わざとらしいって…
文句ばっかり!
…分かったよ
話すってば!
そうだねぇ
話すことは色々だけど
まずは
『あの人』の話だよね
…うん、うん
大丈夫
苦しくない程度に話すよ
だから、ね?
懐かしく思うこと
ワーワー
大きな歓声が聞こえる
勇者と聖女、その仲間たちが
魔王を討ち取ったという
祝福の歓声だった
彼女の耳には
その声は届かなかった
彼女は、俯き
勇者達を讃えるパレードの列から
音もなく消えた
彼女は
『元聖女』だった
『元勇者』と共に
世界を救う旅をしていた
彼女は、全てを失っても魔王を倒すという
強い決意があった
…あったのかも、しれない
彼女の瞳は、虚ろで
光を無くしていた
彼女は魔法を使って、
ある場所へ向かっていた
………
『知恵の湖』
昔の勇者が
力を手に入れたという湖
『彼女の勇者』には、
力を与えなかった
理不尽な湖
彼女は、何の躊躇いもなく
其処に飛び込んだ
そして、
其処には
大きな大木が出来た
………
それがこの、『知恵の大木』です
ガイドが語るのは、
辛く苦しかった
『元聖女』の人生
彼女が、勇者達を救う為に
様々な活動をしていると発覚したのは
彼女が死んで
十数年経った後だった
彼女を探していた魔法使いが
探し人の魔法を使って、
彼女がいる場所を突き止めた
と…言っても
彼女は木になってしまったが…
目の前の夫婦は、『元聖女』の人生を聞いて
泣き出していた
何でも、この夫婦の知り合いなんだとか…
…?
ガイドの子の様子がおかしい
なんだか、酷く
苦しそうに見えた
もう一つの物語
解説…?
ガイドの子は、『元聖女』が生まれ変わった姿
夫婦は、勇者と聖女
結ばれて、夫婦になった
二人が結ばれたのは、『元聖女』が救ったから
オマケ?
『元勇者』と『元聖女』の会話
「ねぇ…私は、幸せだったよ」
「…そんな事言わないでくれ」
満足そうな彼女。
不機嫌そうな彼。
「魔王は倒せなかったけど、大丈夫。時間は稼げた。後、数十年は心配なく生きれる…」
泣きそうな彼女。
「なぁ「ごめん」
言葉を重ねて、
彼女は、彼を抱きしめた。
「私達が一緒に生きれる世界は、あったのかな…?」
勇者の姿は、消えかかっていた。
「俺も謝らせてくれ。ごめん」
「なんで君が謝るのよ…私がそうしたのに」
聖女の姿も消えかかる。
もし、あの時、
魔法が私にもちゃんと使われていたら…
ぼんやりと見える
小さな明かり
彼を呼んでみる
やっぱり声は聞こえない
聞こえるのは
星の囁き
月の嘆き
石の諦念
私は此処から動けない…
の、だろうか?
私はそれを幸せだと思っている
………
ランタンの灯りを頼りに
小高い丘を登る
ちらちらと揺れる
小さな明かりは
暗がりを少しだけ照らす
少しの明かりが心地よい
何もしたくない夜に
ただ、明かりだけが動く
暗がりの中で、
私だけが、
呼吸をしている
風が吹いて
私を追い抜く
追いかけっこは嫌いだ
星が光って
私に話しかける
おしゃべりは嫌いだ
なんだか寂しくて
彼の名前を呼んだ
もっと、寂しくなった