ぼんやりと見える
小さな明かり
彼を呼んでみる
やっぱり声は聞こえない
聞こえるのは
星の囁き
月の嘆き
石の諦念
私は此処から動けない…
の、だろうか?
私はそれを幸せだと思っている
………
ランタンの灯りを頼りに
小高い丘を登る
ちらちらと揺れる
小さな明かりは
暗がりを少しだけ照らす
少しの明かりが心地よい
何もしたくない夜に
ただ、明かりだけが動く
暗がりの中で、
私だけが、
呼吸をしている
風が吹いて
私を追い抜く
追いかけっこは嫌いだ
星が光って
私に話しかける
おしゃべりは嫌いだ
なんだか寂しくて
彼の名前を呼んだ
もっと、寂しくなった
10/28/2024, 10:17:59 AM