鏡の中の自分
鏡…
私はアリスになったのだろうか
鏡の国に入り込んだ
憐れなアリス
トランプ兵も
女王も
みんな可笑しい
なんて…
おかしいのは元々だ
………
路地裏の鏡を
ぼんやり見ていた
うるさい
消えて
…消えちゃダメ
鏡映しのように
私は反対の世界に取り残された
目を覚ますと
アリスになって
いつか…
『あっち』の世界に帰れる
そんなんだったら
幸せだなぁ
笑っているのは
私にそっくりな女
私とは違う
明るいステージの上
楽しそうに歌っている
私は…
真っ暗な路地裏
おまじないの為に口ずさむ
大丈夫
目を閉じれば…
ワーと大きな歓声
たくさんのファンと
活動仲間
過保護な家族
あと、暖かい居場所
「歌って!」
渡されたマイク
みんなが私を待っている
望んでいる
そして、支えてくれる
そうだ
「「支えてくれたみんなに!ありがとう!」」
ほら 繋がった
私と君のおまじない
いつからこんな風になったのか
覚えてはいないけど
私は夜に生きられないし
君は朝に生きられない
おかしくなって
苦しくなったのも
其処からだ
私が目を覚ますと
君は眠たそうで
多分、
十分もしない内に
眠りにつくような感じで
いつもの事だから
私は、笑って
「おやすみ」
って言う
おはよう、は
言えなかった
何故だか
朝に生きられない君を
貶してしまうようで
いつもの事だから
君も笑って
「おやすみ」
って言う
…のかと思った
君は
しっかりと閉められた
カーテンを開けて
「朝日を見よう」
と言った
でも
君は…
いや…
君も同じ景色を見たいんだね
私は無言で
君とベランダに出て、
朝日を見た
風が吹いた
秋風は、冬の冷たさを連れてくる
星は少しずつ消えた
夜にさよならだ
朝日が出て、
君に話しかけようとした
「綺麗だね」って
言えたら良かった 君が
眠りにつく前に
永遠という言葉には
いつまでも続くことという
意味があるらしい
私は
これからの人生で
永遠に続いて欲しい瞬間なんて
有る筈がないと思ってしまう
だからといって
今も無いけど…
手に持ったランタンと
LINEの通知音と
星の明かりが
感傷的(センチメンタル)の
恐ろしさについて
うるさく語る
十一月になっても
私は変わらない
十二月になっても
変わらないと思う
来年には…
何か転機があるだろうか?
期待したところで
私はもう既に
負のループに入っているのかもしれない
永遠の?
それは分からないな…
分かったら
人生、苦しいだろう?
期待は、永遠を支えるスパイスだ
追記
永遠とは
存在していい物なのか
この問いに対する回答を
私はまだ
持っていない
しかし私は、
存在して欲しいと思うと同時に
存在してはならないと思う
期待を無くした者に
与えられた永遠は
まさしく地獄だから
願いの果てにある物もまた、
等しく地獄だろう
一秒という永遠を知る者に
永遠を感じたい時間があるのか、と
いささか疑問だ
思い返して見れば、
なんだか
とても分かりやすかったと
思う
だから、きっと、
気づいていないふりを
してただけ、なんだろう
焦がれていた…と思う
恋という感情が、心を灼くのなら
この感情は、全てを灼くものだ
私には
到底、扱えないもので
要するに、
有り得ないことだ
当たり前の青春
当たり前の人生
それを
理想郷にしてしまった時点で
私は既に
諦めている
だからこそ
其処に
地獄を見る
続かない夢を見て
終わりを見る
漫画やアニメなどの
最終回を予想するものを見ると、
みんなが、
終わりを求めているように
思ってしまう
本当は
そんなじゃないのに
でもね
終わりを見ると
安心するの…
だって、
もう続かないんだもの
理想郷に、
怯えなくていいんだもの
………
ただの独り言だよ…
もし
終わりがあるなら
少しでも
理想郷に触れてみたい
いろんな人の理想郷を見て
私のは
少し寂しいなって思った
果てしないものよりも
今あるものを
少しでも良くしたくて
空回りしてる気はある
でも
憧れの人になるとか
理想の人生とか
世界平和とか
望んだところで
私の望む幸せは
今ある事の前進だから
それか
ある筈のない者の錬成?
まぁ
考えたところで
老人になって死ぬのがオチかも
おやすみなさい
明日に奇跡がありますように
懐かしいこと…
唐突だねぇ
いや…別に無い訳じゃないよ
知ってるでしょ?
たくさんあったじゃん
でも、
全部が夢物語な気がして…
全部、現実だって?
そうだけど…
相変わらずの現実主義だよね
私、悲しくなっちゃう…
シクシクゥ
わざとらしいって…
文句ばっかり!
…分かったよ
話すってば!
そうだねぇ
話すことは色々だけど
まずは
『あの人』の話だよね
…うん、うん
大丈夫
苦しくない程度に話すよ
だから、ね?
懐かしく思うこと