月見茶

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3/27/2026, 1:12:53 AM

【無い無い命、魂一つ】

欲しいって言われても、無理な物は無理だよ。
君にはもう、手に入らない。ないものねだりは赤子でもしないから。

全うしたじゃないか、人生を。
あの地獄のような現世で老衰死なんて、寧ろ充実した人生とも言えるよ?
なのに、またあの世界に戻りたいと?

そう言っても、命は魂に十個まで。君は覚えてないかもしれないけれど、もう十個の人生を送った後なんだよ。十以上はアンデット系になって上々な煉獄なんだから。

君の善じゃあ、ボクら天使にもなれないんだから。大人しく、この川で地獄の手伝いをしながら自然消滅を待ってよ。

3/25/2026, 3:29:55 PM


【好きが原動力】

アイツはいつも、横にいる。
言葉で、力で、性別で、複数で。
ありとあらゆる術で彼女を傷つけるのに、手放そうとすらしない。

アイツは、彼女のことは好きじゃない。
アレはただ、嫌っている人間が支配下にいないと駄々をこねる子供だ。
だけど、近づくことすら出来ない。
幾ら子供でも、グレネードや剣を投げ回している状態なら、大人でも手がつけられないどころか死につながる。

⸺だから、一番始めに権力を落としたわ。先祖の功績に縋りついている事を隠して、威張るだけ。この手の手合いは、蹴落とすに限る。
その次に、数。権力から来ている数は、直ぐに離れたけど、何人かは力に捕まっていたから、数の絶対数を減らしたわ。ちょっと大仕事になっちゃったけど、全部アイツの罪になるよう工作したから、張り切っちゃった。
最後に、言葉と性別。言葉は一点で済んだけど、性別だけは元々の構造上そう簡単に変わるものでも無い……なら、気だけでも変えてしまおう。そう考えたから、切ってあげたの。切ったのは、捨てる予定のミキサーにかけてあげたわ、目の前で。

全部無くなったアイツは、とても惨めになったの。お可愛いことですね。
彼女は心の底から笑ってくれたわ。だって彼女、自分の上に立っていた者が蹴落とされて這いつくばる様子が大好きなんだもの。
私は彼女のこと好きよ。好きじゃなかったら、人間に関わっていないもの。

「ありがとう、悪魔ちゃん」

礼を言われる程、凄くもないわ。好きにやってるだけだもの。

3/15/2026, 10:38:07 PM

【涙の星】

彼女の涙は星となる。
泣いた数だけ星が生まれる。
けれど彼女は泣き虫だ。
人と話すだけで涙を流す。

だから、この世に星は際限無く生まれ、資源は豊富。
人には過ぎた星が溢れている。

3/15/2026, 7:19:58 AM


君を見る時は、いつも胸が高鳴った。
君と話す時は、いつも心が軽かった。
君も同じだと、思っていたんだ。

思ったとおりだった。
何処か遠くを見つめる瞳は安らかで。
開いた口からは優しい歌が聞こえる。

でも、君を連れ去ろうとする者がいる。
俺と君を離そうとする者がいる。
だから俺、終わらせておいたよ。

「さあ、また来る前に行こうか……相変わらず、かまってちゃんだね、君は。仕方ないな、今日も君を抱えてあげるよ」

【■かぬ君と、共に永久を】

3/11/2026, 10:40:20 AM

【華麗なる一日を】

 静かな日々は、私の密かな夢だ。
 園に通い、友と交流をし、親交を深める。
 それが嫌だとは言わないが、時には一人で読書に耽る時間が欲しい。

 試しに、爺に言ってみた。何とか私の一人きりの休日を作れないかと。すると爺は、軽く口角を上げてこう答えた。

「では、明日の予定は全て後日に回しておきます。困り事があれば、何なりとこの爺にお任せを」

 流石は爺だ。父が私の側付きにする事を渋っていただけはある手際の良さ、これからも仲良くしていたいものだ。

 ⸺それが昨日。今の私は、蔵書室で一日を過ごしている。時折休憩で飲む紅茶は素晴らしく、軽食も丁度いいタイミングで届いた。
 相変わらず、我が家の使用人達は優秀だ。彼らのおかげで平穏な日々を過ごせている。

 ただし、最近入った新人メイドは失礼な娘だがな。先程も紅茶のおかわりを頼んだ際、私が読んでいる本を見て口を滑らせていた。

「……ぼっちゃまって、本当に幼稚園生なのですか? 時々、四歳らしからぬ発言をされているのですが」

 酷い娘だ。我が家は代々、幼少の頃から素晴らしき記録を残している名家なのだ。年不相応なのは当然だろう。
 メイド長にもう少し教育を厳しくするよう進言しておかねばな。

 だが、それ以外には何事も無かった。今日は平穏な日々だったと言えるだろう。
 また明日から、同じ日々を続けよう。

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