「この世界は」
歪んでいるのかしら。
正しく巡っているのかしら。
混沌のまま巡り巡って。
それでもなお、美しいのだと言われている。
それは世界?それとも、この星々のこと?
不確かな事だらけの今世に、果たして救いはあるのでしょうか…?
乞うご期待!
…なんてね。
「どうして」
道を間違えたのか。
違和感を勘違いと誤魔化したのが根源か。
あの日の困惑から目を背けたのが始まりか。
無邪気に問う声は、ひたすらに明るく。
だと言うのに、嗚咽を堪えて泣いている。
あぁ、どうして。
それでも前を向かなければいけないと急かす声もする。
ゆっくり休めばまた同じ場所に戻れるよと宥める声もする。
そこへは絶対に戻ってはならないと止める声もする。
まだ、惑いの中にいるわたしを守ろう。
揺り動かす外の刺激から、受け取れるものを選りすぐろう。
「夢を見ていたい」
もう少しだけ。
眠るように、夢を見ていたい。
ふわふわの甘い綿菓子の様な、暖かい夢が良い。
「ずっとこのまま」
ずっとこのままなんて有り得ないし、何もしなくても時は過ぎて行くけれど、それだけではダメな事も知っている。
何かと繋がっていないとヒトのカタチを保てないのも事実。
あぁ、それでも。
どうか神様、お許しくだい。
もう少しだけ、このままの空白を漂っていたいのです。
ゆっくりとを溶ける時間を、この心の為に。
散り散りになってしまった、わたしを取り戻す為に。
※閲覧注意※
幼馴染シリーズ。
オトナの時間、継続中です。
【ずっとこのまま】
その人は、理性的で真面目。
自分自身を律する事が出来る賢い人。
そんな人でも、人間である。
人よりは少し薄いらしいけれど、きちんと欲も望みもある。
夜と言う、惑いの時間の力を借りて、その人の願いをそっと叶える。
そんな風に言い訳をして、抑えきれない自己中心的な欲望を、相手に宥めてもらうばかりで。
自分が情けないやら、涼しい顔ですましている相手が憎らしいやらで、内情はグチャグチャなのだ。
「カズ…。も、少しだけ、このまま。」
熱で潤んだ色素の薄い瞳が、籠もる熱を吐き出す紅い唇が、ひたりと吸い付く肌が熱を伝えてくる。
「…かっちゃん?ずるいよ、そう言うトコ。」
日頃、我慢できるせいなのか、まとめて請われたりするものだから、ついつい歯止めが利かなくなる。
「オレは、ずっとこのままが良い。」
首を傾げるあなたが愛おしくも憎らしくて、力いっぱい抱き締めた。
※閲覧注意※
幼馴染シリーズ。
ちょっとオトナの時間です。
【寒さが身に染みて】
寒がりな人が、温もりを求めて近付いて来る季節が来た。
『今週末、爆弾低気圧が近付いて来る予報です。最大級の備えをして下さい。生命を守る行動をお願いいたします。』
冬将軍や大寒波の到来を告げるニュースが、テレビやラジオから流れている。
「湯たんぽ、電気アンカ…。厚い冬用掛け布団…。出して置くかぁ。」
家に籠もる用意と称して買い込んできた大量の食料品を仕分けながら、独り言を漏らす。
「よいっしょ!」
掛け布団を出していると、炬燵の住人と化していた寒がりさんが、のそのそと出て来たらしい。
「…カズ、寒い。」
炬燵脇に置いていたブランケットに包まって、掛け布団を出している背中にぽすりとぶつかってくる。
「暖房入ってるし、冬の掛け布団出したよ。温かい飲み物飲んで、少しお昼寝する?」
湯たんぽも入れようかな、と考えていたら、背中に頷く気配が触れる。
「カズ、も?」
眠たげな声が揺れて、背中からブランケットが包むように抱き締めて来る。
「っ!…うん。一緒にお昼寝、しよっか。」
眠気でポカポカと暖かい温もりを背中に感じながら、そのまま寝具に倒れ込むことにした。
「ねぇ?かっちゃん。」
ブランケットを下敷きにして、冬用の掛け布団を被って寒がりなあなたに覆い被さる。
「ん、あっためて。」
首裏に絡みつくあなたの腕に絡め取られるまま、吸い込まれていく。