【燃える葉】
ざっざっ、かさかさ。
乾いた落ち葉や小枝を、箒で掃き集める。
こんもりと山になるのを尻目に、木枯らしが悪戯をする前にと火を点ける。
パチパチと乾いた音を立てて、集めた落ち葉の山が燃える。
ゆらゆらと揺れる穏やかな火を眺めながら、用心の金バケツに入っている水の中から、小振りの薩摩芋を取り出す。
アルミホイルの上に白いペーパータオルを敷いて、水から取り出したばかりの芋を載せる。
水切りもロクにしないままの芋をペーパータオルで包み、更にアルミホイルでしっかりと包む。
この一連の工程を、芋が無くなるまで続け、いよいよバケツの中が水だけになったのを確認する頃には、火の爆ぜりも落ち着いてくる。
落ち葉の山の中に、アルミホイルを突っ込む。
「ん〜!いい天気!」
一仕事終えたご褒美を、これから帰ってくるであろう大切な人と頬張りたいのだ。
moonlight
「誰か」
『頑張るって言ったのアンタだよね。さっさと頑張ってやっちゃいなよ。すぐ片付くんでしょ?何で頑張れないの?早く、手が遅いんだから。こんな事も出来ないの?ポンコツ。』
誰のものかも解らない声が聴こえてきて、身体が動かなくて、叫んだ。
「うるさい!黙って!」
気が付いて時計を見たら、丑三つ時。
叫んで飛び起きても、真夜中の静寂に吸い込まれて掻き消える。
「遠い足音」
ほとほと、ほとほと。
近付いたり離れたりして、付いてくる音。
穏やかでいて、穏やかざるモノの様にも聴こえる。
後を付けられている様な、幼子が無邪気に追い掛けて来る様な…。
ふと後ろを振り返ると、後ろ髪を引かれている様な。
あぁ、そうか。
サバンナの荒野に、置き去ってしまった私の心か。
ならば、待とう。
心と身体は、ひとつであった方が、良い。
「秋の訪れ」
日が短くなった。
気が付けば、辺りは真っ暗だ。
秋の日はつるべ落とし。
淀み無く清々しき空気、天高く美しき青空。
ほうき雲が真っ青なキャンバスに、白い筆跡を残す。
そうして深まりゆく秋には、郷愁と旅情が綯い交ぜとなり、寂寥を運ぶ。
真っ暗な夜空に、ぽっかりと浮かぶ美しい月。添う星々は、瞬きは少なに、輝きを増す。
草木の烟る匂い。
焚き火に燻され、爆ぜる音。
遠くラッパの音が、季節と風物の到来を告げる。