「秋の訪れ」日が短くなった。気が付けば、辺りは真っ暗だ。秋の日はつるべ落とし。淀み無く清々しき空気、天高く美しき青空。ほうき雲が真っ青なキャンバスに、白い筆跡を残す。そうして深まりゆく秋には、郷愁と旅情が綯い交ぜとなり、寂寥を運ぶ。真っ暗な夜空に、ぽっかりと浮かぶ美しい月。添う星々は、瞬きは少なに、輝きを増す。草木の烟る匂い。焚き火に燻され、爆ぜる音。遠くラッパの音が、季節と風物の到来を告げる。
10/2/2025, 12:42:22 AM