たろ

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9/28/2025, 2:00:18 AM

「涙の理由」


心が動く。
前触れ無く溢れる。
周りに釣られる。

人目を憚らず。大きな声で。
人知れず。声もなく。
ただ流れるだけの、透明なもの。
膨張し、紅い湖を作るもの。

理由なんて、大したものなんてなくって良い。
大人だからダメなんて事もない。
人間が、人間らしく生きる為に、必要な機構なのだから。

9/27/2025, 7:12:59 AM


【コーヒーが冷めない内に】

コーヒーの香りは好きなのに、苦くて飲めないと言うあなた。
ブラックばかりがコーヒーではないと、カフェオレを淹れたり、カフェモカにしてみたり、とアレンジをし続ける。
もちろん、あなたが好きな紅茶や緑茶も外さない。

甘さやミルクの量を変えていく内に、コーヒーの苦味が気にならなくなって来たようで、時々はブラックを口にするようになった。
「…慣れって怖いな。」
ぽつりと零れた独り言は、照れ隠しのよう。
「一緒に同じのが飲めるの、オレは嬉しいよ。…嫌だった?」
ぶんぶんっと首を横に振って、驚いた顔でこちらを振り向くあなたが愛おしくて、思わず抱き締めた。

9/23/2025, 11:30:29 AM


【僕と一緒に】


「かっちゃん、一緒に行こう。」
登園、登校、通勤、お出掛け…。
色んな移動の時に、あなたがかけてくれる声が、大好きだ。
「カズ…?一緒に行こう。」
当たり前に声を掛けてくれる事に慣れないように、時々は自分から声を掛けるようにしてみたり。
「うん!一緒に行こう!」
準備、火の元確認、戸締まり、忘れ物ないかな…。手分けして確認しながら、家を出て行く。

帰りも一緒になったら良いのに。

9/16/2025, 2:24:07 PM


「答えは、まだ」

まだ、もう少し。
何とかやりくりして、つかず離れず。
立ち行かなくなる前に、逃れるべきか。
それでも彼の人のつまらぬ戯れ言に振り回されながら、ヤツの為にこちらが折れてやるのも癪だと言い聴かせ、宥め賺している。

迷いながらも、自分の糧になるのではなかろうかと、暗中模索している。
まだ、答えは出ないが、ずっと居る場所でもなかろうとも思っている。

あぁ、今日も今日とて。
トグロを巻きながら、ぐるぐるとロクロを回しているのだ。

9/14/2025, 10:02:18 AM


【君と見上げる月…🌙】

「一緒に、見よう!」
あなたが大好きな天体観測。
今回は、満月の夜の皆既月食。
早く仕事を終えて、眠る準備を万端にして。
「見えると良いなぁ。」
レモンイエローに光る月が、雲の切れ目から顔を覗かせている。

蚊帳代わりのテントに潜り込んで、天窓代わりの内窓を開けて、ふたりでごろ寝する。

雲間から、薄っすらと紅い月が見えた。
(食われる、とは良く言ったものだな。)
ほんの少し残った黄色が、赤茶色に呑み込まれていく。
「あー、食べられちゃったね。黄色いところ、なくなっちゃった…。」
しょんぼり声が、あなたの口元から溢れ落ちた。

月明かりが消えて、静けさが夜空から落ちてくる様だった。
黄色いお月様が戻ってきたら、きっとまた大はしゃぎで出迎えるのだろう。

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