【君と見上げる月…🌙】
「一緒に、見よう!」
あなたが大好きな天体観測。
今回は、満月の夜の皆既月食。
早く仕事を終えて、眠る準備を万端にして。
「見えると良いなぁ。」
レモンイエローに光る月が、雲の切れ目から顔を覗かせている。
蚊帳代わりのテントに潜り込んで、天窓代わりの内窓を開けて、ふたりでごろ寝する。
雲間から、薄っすらと紅い月が見えた。
(食われる、とは良く言ったものだな。)
ほんの少し残った黄色が、赤茶色に呑み込まれていく。
「あー、食べられちゃったね。黄色いところ、なくなっちゃった…。」
しょんぼり声が、あなたの口元から溢れ落ちた。
月明かりが消えて、静けさが夜空から落ちてくる様だった。
黄色いお月様が戻ってきたら、きっとまた大はしゃぎで出迎えるのだろう。
9/14/2025, 10:02:18 AM