【君の目を見つめると】
いつでも、どんな時でも、ずっとあなたの事を見ていられる。
色素の薄い、綺麗な瞳が大好きで、いつだって見ていたくて、じっと見詰めてしまう。
(あぁ、綺麗だなぁ。)
きらきらと陽だまりを反射して輝く、瞳とお揃いの色素の薄い髪の毛。
「…何か、付いてる?」
あなたは、不意に視線を逸らす。
さらさらの髪の毛が揺れて、赤く染まった耳が見え隠れするのを、結局目で追っている。
「何も付いてないよ。キレイだなぁって、見惚れてた。」
そっと近付いて、あなたの目を見たくて、赤くなった頬に手を添えて、顔を上げてもらう。
「…恥ずかしい。」
やっと目が合ったのが嬉しくて、その瞬間に泳ぐ視線が愛おしくて、赤く染まった頬に唇で触れた。
※閲覧注意※
ちょっと大人な時間を演出したかったので、
センシティブなシーンを匂わせています。
何でも許せる人向け。
【星空の下で】
一番、星空に近いと言われている場所。
満天の星が瞬くその場所で、静かに夜に包まれていた。
「わぁ、たくさん…。キレイだねぇ。」
星の光が静けさに揺らぐ様で、うっとりと見上げる横顔越しに、満天の星空を見上げる。
「普段見えない子まで、よく見えるなぁ。」
嬉しそうに話す優しい声が、愛おしそうに艶を帯びている。
「あれ、見える?あれはね、―――座。」
あなたが語る神話のエピソードは、穏やかに緩やかに、激情と苛烈な諍いを含む、壮大な愛を物語る。
「…聴いてないでしょ?」
ひとつ口吻けを落として、あなたの体に跨った。
「星、見てて。普段見えない子まで、見えるんでしょ?ちゃんと、見てあげないと。」
観察の邪魔にならないように、視界を遮らないように気を付ける。
「―っ、そういうとこだぞ?かっちゃん!」
知り合いから借りたキャンピングカーで、遠路はるばる乗り付けていても、大好きなあなたと一緒の夜にさしたる変化はない。
「…ごめん。頭、冷やしてくる。」
むしろ、美しく広がる満天の星空に、あなたが楽しげに語る神話に、あなたを盗られてしまう様な気がした。
「かっちゃん、待って!ごめん、大丈夫だから、離れないで?もう少し待ってくれる?」
すぐに切り上げると言って、セットしていたカメラを操作して、あなたが戻って来る。
「お待たせしました。夜はこれから。だからね、かっちゃん。目一杯楽しも♪」
透明な特殊ルーフ越しに、神々の愛が詰まった満天の星空。時折、流れて消える光を追い掛けながら、夜は更けていった。
※閲覧注意※
IF歴史?軽率なクロスオーバー?
タイムトラベラーなモブちゃんが、普通に居るよ。
《それでいい》
(挨拶をして返事が無かったら、妖かし。)
それでいいのだと言ってくれた人が、部屋を出て行ってからしばらくして戻ってきた。
「…暁、変わりは無いか。」
留守番の間は手習いを、と用意された綺麗な和紙を、筆を置いた手に取って部屋に入ってきた人に掲げて見せる。
「下に置け。裏書きが透けて、読めぬ。」
書き損じや裏紙で充分なのに、綺麗な真っ白な紙が用意されるので、両面にびっしり書くことにしていた。
「良く書いたな。…これは、来客か。」
文机に置き直した紙を眺める人が、紙の上に指を走らせる。
(書いて頂きました。また来てくださるそうです。)
部屋に入るなり着崩した着物の端を捕まえて、その人を見上げた。
「そう、か。書いて貰ったか。」
頷き、喉を鳴らして嗤う姿が様になっていて、少しホッとする。
真似るのが上手な親族が居て、まるで悪戯好きな妖かしなのだ、と言われた時は驚いた。
「話しかけよ。応えがなければ、妖かし。そう思えば、良い。」
本当にそっくりな見た目の人が2人並んだ時は、急に手合わせが始まって、更に驚いた。
1つだけ
一時保存中
※閲覧注意※
軽率なクロスオーバー。
要素てんこ盛りなモブちゃんが居るよ。
何でも許せる人向け。
《大切なもの》
お預かりしている神様のひと欠片。
『ツイとツイのミコ、それから私のミコ。』
その神様が大切だと想い、探して欲しいと願ったもの。
『見つかったら、あなたにも教えたい。』
嬉しそうに語る神様の本当の姿の話。
『私のツイとツイのミコ、私のミコに逢えたら、きっと仲良くなる。楽しみだなぁ。』
内側から話し掛けてくる神様の声は、無邪気な子供そのもの。
『私の運命。必ず巡り逢うから、大丈夫。』
出逢えば解るのだと、無邪気な声で告げる神託。
(楽しみにしております。)
夢でしか逢えない大切な神様の一部。
運命に巡り逢えるまで、大切にお預かりするのだ。
―――命の限りを尽くして。