※閲覧注意※
IF歴史?二次創作?軽率なクロスオーバー?
時空トラベラーなモブちゃんが出て来るよ。
色々、ごちゃまぜ。何でも許せる人向け。
《怖がり》
怯えを表す潤んだ瞳に、ひゅうひゅうと鳴る喉。震える肩は、恐怖を色濃く伝える。
にじり下がって、手を床に付け、頭を垂れるまで、そう時間はかからない。
「面を上げろ。頭を垂れよとは、申しておらん。」
黒曜の瞳が怯えを含んだまま、こちらを窺う。
「さて、如何したものか。策を練るか。」
喉を鳴らして嗤うと、おどおどと黒曜の瞳が彷徨う。
「来い。何があったか、事実を語れ。」
自分の膝を示すと、目前の子供がきょろきょろと周囲を見渡してから近付く。子供の小さな手が、自分の膝の上にそっと乗る。
『ここで、お留守番をしていたら、忘れ物を取りに来たと、仰言るあなた様が、いらして…。』
姿形が良く似た者とは、面倒なものである。
「あれは、俺を真似る、妖かしだ。」
巧妙に真似をする奴でもある。
『…見分けが付くようになるでしょうか?』
妖かしと聴けば怖がるかと思えば、真剣に何が違うのか探そうとしているのが、可笑しく思えた。
「目元に、これは入っていたか?」
目元の色を示すと、子供がこくりと頷く。
「ならば、示し合わせだな。」
合図と合言葉。互いしか解らぬことを示し合わせる。
「お前から話せ。話が通じなければ、俺ではないと断じて良い。万が一にも、俺であったとて、返事がなければ俺と思うな。」
こくりと頷いて、鼻息を荒くする怖がりな子供。
『それなら、間違えないと思います。』
怖がりな子供の顔が、嬉しそうに綻んだ。
後日、妖かしと呼ばわった輩を子供の目前で絞め上げて、怖がりな子供を泣かせる事になったのは、また別の話。
『星が溢れる』
凍て付く夜空に、輝く星々。
狩人は猛り、美しき月へと愛を語る。
その物語は、今も語り継がれている悲恋。
古の船人たちは、極星を頼りに夜空へと地図を描き、最果ての彼方を目指したと云う。
命懸けの航海は今もって存在し、前人未踏を更新してきた。
母なる大地を後にして、空へ飛び立った船は、未知なる宇宙を目指して更なる前人未踏を更新すべく、航海を続けているのだ。
星よ、我らを導いておくれ。
日々、憂いと喜びに揺れるちっぽけな私を、どうか笑っておくれ。
宝箱の中から溢れる様な綺羅綺羅しい光で、私を見守って欲しい。
【安らかな瞳】
穏やかで、凪のように揺らぎがない、色素の薄いあなたの瞳。
安穏を浮かべて、こちらを見つめている。
あなたの美しい色の瞳を、吸い込まれる様に見詰め返す。
「…見過ぎ。恥ずかしいんですけど。」
視線を逸らす事など出来ずにいると、照れ隠しの様にふいと外方を向かれてしまう。
「あなたの綺麗な瞳に、目も心も奪われてしまったので。」
わざと仰々しく応えると、耳の裏から首元まで真っ赤に染めて、あなたは小さな抗議の声を上げた。
「…恥ずかしいから、止めてくれ。」
懇願に近い掠れた声と、潤んだ瞳が睨んでくるのを心底可愛らしいと思う。
【ずっと隣で】
あなたに寄り添う、ずっと隣で。
子供の頃は飽きる事なく、ずっと隣で過ごしてきた。
大人になってからの方が、それぞれに仕事があって、距離があるかもしれない。
本当なら、息を吸うように、ずっと隣で過ごしたいのに。
(あぁ。とても、もどかしい。)
息苦しいなんて言ったら、あなたは酷く心配して、きっと甘やかしてくれる。
(ダメ。足を引っ張るのだけは、嫌だ。)
真っ青な空を見上げて、そっとため息を溢した。
※閲覧注意※
それは愛なのか、恋なのか。
綺麗事で済まない何かの話。
色々、彷彿とさせるものがあるかも。
あんまり楽しくないと思うので、嫌な方は回れ右を推奨。
【もっと知りたい】
あなたの事、もっともっと知りたい。
骨の髄まで、指の先や足の先まで、髪の毛の1本に至るまで。
『解体されちゃいそう。』
と言って、あなたは呆れたように笑うのだ。
『痛いのは、嫌だなぁ。』
そう言いながら、あなたは身体を寄せてくる。
あなたを隠すすべてを取り払いたくて、あなたと一緒に融けてしまいたい。
「痛くしないよ。嫌な事も、悲しくなる事もしない。だから、傍に居させて。」
我ながら酷い話だと思う。綺麗事だけで済まない所まで、想いは強く深くなっていく。
「優しくするね。痛かったら、教えて。」
執着なのか、愛なのか、所有欲なのか、わからないまま、あなたの傍から離れたくなくて、しがみついているのだ。
知識欲や好奇心だけではない、不穏な想いも綯い交ぜにして、あなたを知りたいと、煮え返る腸を何とか宥めている。
「愛してる。全部、全部あげるね。もらってくれたら、嬉しい。」
肌を隙間なくくっつけて、あなたを感じていたいのだ。