※閲覧注意※
IF歴史?二次創作?軽率なクロスオーバー?
時空トラベラーなモブちゃんが出て来るよ。
色々、ごちゃまぜ。何でも許せる人向け。
《怖がり》
怯えを表す潤んだ瞳に、ひゅうひゅうと鳴る喉。震える肩は、恐怖を色濃く伝える。
にじり下がって、手を床に付け、頭を垂れるまで、そう時間はかからない。
「面を上げろ。頭を垂れよとは、申しておらん。」
黒曜の瞳が怯えを含んだまま、こちらを窺う。
「さて、如何したものか。策を練るか。」
喉を鳴らして嗤うと、おどおどと黒曜の瞳が彷徨う。
「来い。何があったか、事実を語れ。」
自分の膝を示すと、目前の子供がきょろきょろと周囲を見渡してから近付く。子供の小さな手が、自分の膝の上にそっと乗る。
『ここで、お留守番をしていたら、忘れ物を取りに来たと、仰言るあなた様が、いらして…。』
姿形が良く似た者とは、面倒なものである。
「あれは、俺を真似る、妖かしだ。」
巧妙に真似をする奴でもある。
『…見分けが付くようになるでしょうか?』
妖かしと聴けば怖がるかと思えば、真剣に何が違うのか探そうとしているのが、可笑しく思えた。
「目元に、これは入っていたか?」
目元の色を示すと、子供がこくりと頷く。
「ならば、示し合わせだな。」
合図と合言葉。互いしか解らぬことを示し合わせる。
「お前から話せ。話が通じなければ、俺ではないと断じて良い。万が一にも、俺であったとて、返事がなければ俺と思うな。」
こくりと頷いて、鼻息を荒くする怖がりな子供。
『それなら、間違えないと思います。』
怖がりな子供の顔が、嬉しそうに綻んだ。
後日、妖かしと呼ばわった輩を子供の目前で絞め上げて、怖がりな子供を泣かせる事になったのは、また別の話。
3/16/2024, 10:57:21 AM