たろ

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1/23/2024, 11:40:42 AM

【こんな夢を見た】


妙に現実味のある夢を見た日。

嬉しいような悲しいような、不思議な心持ちになったのを憶えている。
理由もなく溢れてくるものが止められなくて、困惑したのも鮮明に覚えている。
『誤魔化すな。直視しろ。』
逃げ廻っていた現実から、目を背けるなと言われているようでもあった。
「勝算、薄いなぁ…。」
端から見れば、どうということもない事象かもしれないが、やはりハードルは高いように思えた。

これは、叶わない想いが見せた現実逃避に似た甘い夢なのか、叶わない想いを遂げたい欲が浮上した浅はかな想いなのか―――。
「そもそもが無理だろ、アイツは。」
仲が良い故に知っている相手の恋愛観からして、無理筋なのは確実である。
「完全に墓まで持ち込みなんだよ…。」
自分でも、愚かしい話だと思っているのに、何処までも想いはままならない。

1/22/2024, 10:56:06 AM


もしも、タイムマシーンがあったら?
夢のような夢物語。そう思っていた。
実際に起きたら、こんなに過酷だなんて思わなかった。

異世界にでも飛ばされたのかと思う程、同じ国の筈なのに聴き取れない言葉。
書いても通じず、話は理解されず、細かいニュアンスは伝わらない。
困惑が目の前に壁を作っていて、超えられない。
奇異の目を向けられたら最後、忌避する冷たい視線が刺さって、拒絶される。
「妖しか、物怪の類か?くわばら、くわばら。」
何とか聴き取れたのは、やはり拒絶だ。
誰も知らない場所で、独り取り残されたまま、呆然と途方に暮れるしかなかった。

居竦んだまま立ち尽くす。
足元をじっと見詰めていたら、大きな影がかかった。
「付いて来い。」
手を差し伸べるでもなく、抑揚のない声が頭上から降ってきて、すぐ脇を体格の良い人影が通り過ぎて行く。
「えっ!?わぁ、待って!」
大きな背中を急いで追い掛けた。

見知らぬ土地の見知らぬ人の背中を追い掛ける決断。
さて、吉と出るか、凶と出るか―――。


《タイムマシーン》
異世界転生もどき。
過去にタイムスリップしちゃう系の話に出て来る、モブちゃん現地到着の導入部分。

1/21/2024, 10:37:59 AM

【特別な夜】



今日は特別な日。
大好きなあなたが産まれた大切な夜なのだ。
たくさんの感謝と、たくさんのご馳走と、甘い甘いひと時を用意したくて、張り切って―――。


「HAPPY BIRTHDAY!」
大好きなあなたに、たくさんの良いことが、幸せが降り注ぎます様に。


「もう、お腹いっぱいだよ。」
苦笑いするあなたが、幸せそうに少しだけ照れた顔ではにかんだ。
その顔が見られたら、もうそれだけで幸せなのだ。


1/21/2024, 3:00:19 AM


ゆらゆらと揺れる水面を見上げる。
コポコポと耳を揺らすのは、自分の息だろうか。
やっと役目が終わったと、安堵する。
きっとこれから自分の命は終わるのだと知っているのに、不思議と恐怖はなく、心は穏やかだ。
『ずっと私を護ってくれて、ここまで連れてきてくれた。やっとあなたを開放してあげられるよ。今度は、私があなたの願いを叶える番だ。』
嬉しそうな声が脳裏に響く。
(あぁ、良かった。)
身体の真ん中が弾けるような乾いた音が聴こえて、清涼な鈴の音が辺りに響いた気がした。
『私の対!対の神子…。』
海を割って空へ飛び立つあなたは、きっと無事に愛する人に出会うのだろう。


遠い時空の彼方の綺麗な青空と海を抱いて、
ゆっくりと目を閉じた。
海の揺らぎと共に、幸せな夢に揺蕩う。



《海の底》

海の底ったら、コレっしょ!って、自分。
初手、これしか思い浮かびませんでした。

訳あって、神様の一部分を預かってしまったモブと、モブの体に馴染み過ぎちゃってる神様の一部分。
神様はとってもマイペースで、内側から気軽に声を掛けてくるので、モブは忙しい。
お役目は果たしたので、神様の力でお家に帰るよ!
さぁ、明日はどっちだ―――。(始まらない