ぽたり
スーパーからの帰り道、私の手を1粒の雫がつたった。瞬きをすると、ぼやけていた視界が一気に開け、代わりに頬を湿らせる。
何も上手くいかない。そういう日は誰にだってあるし、自分独りが悲劇のヒロインぶったところで何も変わらない。
誰も助けてくれやしないし、誰かに弱音を吐いたところで、結局は自分で何とかするしか策はない。
そう思うと、途端に自分の孤独さが身に染みて、全てが自分を責め立てるような感覚に陥った。
結局、手に落ちたものが、涙なのか、はたまたこの状況を楽しんで振らせた、空の神様の涙なのかは、誰にも分からない。
今はただ、この雨が早く病むことわ祈るばかりだ。
正直に言うと、最近まで夜景の見えるレストランで記念日をお祝いするとか、そういったことはバカバカしいと思っていた。
なんでそんなにも、高い、夜景が綺麗、ということにこだわるのかが、私には全く分からなかったからだ。
でも、ふとオシャレなレストランを目にした時、『あぁ、彼女とここに来れたらどんなに素敵だろう』と、気づけば彼女の顔を思い浮かべていた。
そこで私は初めてオシャレなレストランの意味がわかったような気がした。
特別な日であればあるほど、好きな人には特別な景色を見せたくなるものなのだと。
来年の彼女の誕生日、オシャレなレストランを予約してエスコートなんてしたら、喜んでくれるだろうか。
おっと、忘れるところだった。
もちろん、夜景も綺麗なところで。
『あ、雨だ』
大学からの帰り道、私の頬に1粒の雫がポツリと落ちた。
最近、友達と居るのがしんどい。みんなから見た私は、元気で、明るくて、それでいてしっかり者で、辛い顔なんて1ミリも見せることの無い完璧人間。
みんなの表情が頭から離れない。『私』という人間像を創り出す、みんなのあの目。
あぁ、これが望まれた私なんだ
そう気づいた時、私の目から涙が1粒、ぽとりと流れ落ちた。
これは、涙なのか、雨なのか。
それは、私にしか分からない。
ただ1つ言える確かなことは、空が泣いた、ってこと
もう何度目だろうね。
1週間前から通知の来ないLINEを、今か今かと見返す。
何かの通知が飛べば、貴方からではないかと飛び起きて確認。
でも、決して貴方からではない。
私はね、待っているんだよ。
君からのLINEを、。
初めて出会ってから、もうじき3年。
気づけば2年以上、貴方に片思いをしている。
私の大好きな曲に、こんな歌詞がある。
『飾らないその姿が愛おしい』
貴方はメイクもしないし、服にもこだわりなんてない。誰の前でも自分を偽ったりなんてしないし、自分に正直に生きている。
そんな貴方が、私の目には誰よりも輝いて見えた。
何にも飾り気のないその素直な笑顔は、何度だって私の心に恋という名の炎を灯した。
何度、私は貴方の笑顔に救われただろう。
もし、貴方が何かに苦しみ、涙が零れそうになっているのなら、喜んで胸を貸そう。
何度でも抱きしめよう。
貴方の為になるのなら、私は喜んでこの命を捧げよう。
もう、誰の言葉も聞こえやしない。
だって私はもう既に、貴方に狂わされているのだから。
この命燃え尽きるまで、貴方を愛すると誓おう。
決して耐えることの無い、恋の炎をこの胸に灯そう。
私は貴方を、狂おしいほどに愛している。